こだわりメモ帳

ここはブログ内の検索ができ便利。2004年9月~2017年3月も残されています。17年3月~23年5月はExcite

・ 『坂の上の雲』の時代

2009年08月21日 | ◆ メモ

  記念館の今の企画展は、『坂の上の雲』が書かれた時代で、
維新から日露戦争の明治日本を描いた、司馬代表作のひとつが書かれた時代背景を見せている。
このタイミングは勿論、NHKがTV化をすることに合わせてで、
番組はようやくこの秋から始まるが、原作をどこまで忠実になぞっているか。
登場人物と起用俳優のイメージは合っているのか、脚本はどうかなどなど興味深い。
ドラマを楽しむため、6巻あるこの本を何年ぶりかでまた読み始めたが、
話の進め方、奥行きのふかさ・関連付けのふかさに魅入られている。面白い。
作中、子規の『美』に関する考えが、第2巻に出てくる。
病床を見舞いに来ていた幼友達の秋山真之や門下生の虚子、碧梧桐をあいてに、
「あしは、美に一定の基準なしとおもうとるぞな。
美の基準は、各個人の感情のなかにあり、
同一人物でも時が経つと基準がかわる。
あしは美に一定の基準なしとおもうとるけん、
なにが名文かは、それを読んで感ずる人次第ぞなもし」
と言わせている。子規の考えか、司馬さんの考えか、これは問うまい。
コメント (1)