雨上がりの秋
駅前広場 091111 by 1en keitai
串柿の里へは、紀ノ川広域農道の根来寺の前を通る。 「街道をゆく」に「紀ノ川流域」があり、この折に読むとまたまた面白く、以下は抜粋の抜粋。 根来寺は、堂塔伽藍付属建物2千7百余棟、坊舎80余坊、 僧俗あわせ2万人以上の一大宗教都市の時代があったそうながら、 種子島で武装した鉄砲集団は、天下統一をはかる信長ついで秀吉により壊滅する。 宗祖覚鑁(かくばん)は、空海が完成させた密教を集大成し、後高野山座主にもなった人物。 ≪叙事でもなく叙景でもなき書きようで仏教を書けば、・・・≫ (古儀)真言宗・・・空海・・・高野山大学・・・高野山金剛峰寺---------本尊は宇宙そのもの(大日如来) (新義)真言宗・・・覚鑁・・・大正大学・・・智積院、長谷寺、川崎大師、成田山--同々 密教は修行者が三蜜行(身・口・意)を行じ宇宙と合一すれば即身成仏を遂げえるという宗義。 法然・親鸞は阿弥陀如来の西方浄土信仰で成り難い即身成仏ができるとし後年、平安中期に栄える。 非釈迦的思想ながら解脱せずとも他力(阿弥陀如来)で救済されるという思想である。 覚鑁も「蜜厳浄土略観」で大日如来は救済するときは阿弥陀如来に変わるという思想をたてた。 ために高野山座主につきながら、全山から追われ根来に入り法儀を宣布することになる。 鳥羽上皇から荘園を寄進され隆盛、根来塗とともに花ひらいた紀の川文化は、戦火で壊滅する。 史実を追求し背景にのせ描く司馬さんの叙事世界は読んでいて厭きない。 真言密教はこういう宗教であると・・・教えられうれしい。 |