第2回が楽しみ
坂の上は、司馬さんが40代の10年を費やした代表作のひとつ。 時代を調べつくし書いた結果は、この後の仕事において、 この時代を降った舞台の小説がない。書ける人物、書ける題材がなくなったそう。 だからこの小説は司馬さんにとりいち大エポックなはず。 坂の上においては、戦況の時間と場所を間違わずに書くという作業がつづき、 些細な事実でも間違えれば無意味になってしまうと、 緊張で心が、かさかさしてくる。と他所で書いている。こういう時、 空海の漢文「四六駢儷体」というのを読んで精神が癒されたという。 これが後の空海の風景につながっていくとは、 まことに読書好きで書き物好きなのだと思わせる。 坂の上のTVドラマをいえば、不思議と新聞、週刊誌が評を上げないこと。 同業TV界は他人をいうことは無く、静かなのはいいとして、 週刊誌が静かなのは不思議なことと言える。 |