への次郎が行く

カメラと地図を片手に気ままに出かけます。

日田・小鹿田焼の里

2023年02月28日 | 旅行

2月23日、朝イチで大分県日田市の中心地から、北に向かって車を走らせました。

国道212号からそれて山道に入ると、次第に人家がなくなり、急坂の連続。40分近く走ると、谷筋にできた小さい集落に到着しました

小鹿田(おんた)焼の里です。

 

 

小鹿田焼陶芸館の駐車場に入ると、他に観光客は来ていませんでした。

駐車場にあった見晴らし台に来ると、この風景。

 

陶芸館にあった説明によると、ここで窯が開かれたのは1705年のこと。以来、一子相伝で技法が伝えられてきて、現在、9軒の窯元があるそうです。

 

陶芸館から出て来ると、集落のどこかで、何か物がぶつかるような、かすかな音。

ギー、ドスン! ギー、ドスン!

この音の発生源、後で分かりました。

 

地図を片手に、集落の中の一本道を下りて行きました。

 

集落の真ん中を流れる谷川。右手には登り窯

 

集落の真ん中に来ました。大きな共同の登り窯です。

 

窯の口をのぞき込むと、いい色に焼けたレンガ。

ガーデニングに欲しいなぁ

と思っていたら、思い出しました。

ここ、サスペンスのロケ地じゃない!

 

帰って調べたら、やはり!

片平なぎささん主演の『豊後一子相伝殺人事件』のロケ地でした。

 

気づくと、このあたりでも、あの音。

ギー、ドスン! ギー、ドスン!

 

音の方向に行ってみると、

石臼です。陶土でしょうか、で土をついていました。

 

反対側に回ると、

なるほど、谷川の水を利用して杵を動かしていたんですね。

上の高台で聞いた音の発生源、これでした。

 

谷川の隣りのお宅はというと…、

寅さんのロケ地だ!

 

ほら、

男はつらいよ』第43作のオープニングの場面ですね。

ご当主が出て来られたので聞くと、土をついていたあれ、唐臼(からうす)だそうです。

 

各窯元には無人の販売所がありました。ちょっとのぞくと、

これが柳宗悦(やなぎむねよし)が「世界一の民芸」と称賛した小鹿田焼です。この図柄、小鹿田焼の代表的な技法飛び鉋(かんな)です。

 

B級品もあったので買いました。

左はB級の八寸大皿700円、右はB級のご飯茶碗400円。

いいお土産が買えました。

 

集落の一番下にあるそば屋のあたりに来ると、ここにも唐臼。

しばらく唐臼の音を聞いた後、

さぁ、帰りましょ

 

引き返していたら、共同窯の先の電柱の陰に、

何だろう?

下りて来るときには、気づきませんでした。

 

駐車場に戻ってくると、車が2台増えていました。

見晴らし台にもう一度立つと、あっちからも、こっちからも、唐臼の音が響いていました。

ギー、ドスン! ギー、ドスン!

 

 

この日見たあの風景は国の重要文化的景観小鹿田焼は国の重要無形文化財、あの音は日本の音風景100選に認定されているそうですよ。