旅の二日目。
ホテルで朝食を食べながら、旅のしおりを見て日程を確認しました。
への次郎 「油津と飫肥の散策順を入れ替えるよ、いい?」
奥さん 「朝から美味しいものをいただけて、幸せだわ」
青島から国道220号を一路南下、1時間近く走って飫肥(おび)にやって来ました。
ここは伊東氏5万1千石の城下町でした。
古の町並みの風情をいまも留めており、「日向の小京都」と呼ばれています。
奥さん 「小京都? 懐かしい響きだね」
への次郎 「最近はあまり聞かないけどね」
地図を見ると、酒谷川が蛇行していますが、その北側に城下町はできました。
地図の真ん中を横に黄色の線の道が走っていますが、そのあたりが武家屋敷。その南に茶色の道が走っていますが、そのあたりが商家町です。
お城近くの無料駐車場へ行くと、観光案内所がありました。
そこで、「あゆみちゃんマップ(800円)」を購入。3カ所の無料見学券と、5枚の商品引換券がついています。
マップを見ながら、まずはお城へ。
■飫肥城
ここは大手門。
大手門をくぐると、前方に石段。このあたりで寅さんのロケが行われました。
ほら。
石段をあがったところで、寅さんと泉(後藤久美子)ちゃんが出会います。その様子を背後から見ている蝶子(風吹ジュン)さん(第45作『寅次郎の青春』)。
我々も石段をあがって、突き当りを石垣に沿って右に進みました。すると、また石段。
石段をのぼっていくと、
左手に歴史資料館、右手に飫肥小学校。天守はありませんでした。
資料館と小学校の間にある道を左に迂回して行くと、
下りの石段があって、そこを下りて行くと、大きな飫肥杉が4本。
4本杉の真ん中に立って、上を向いてパチリ。
この杉、「しあわせ杉」といいます。4本杉の対角線の中心に立つと縁起が良く、運気が上がるそうですよ。
4本杉を過ぎると、林立した飫肥杉に、一面の苔。
その先にあったのは、先ほどの寅さんロケ現場。
ロケ現場をもう一度確認し、石段を下りて大手門から外へ出て行きました。
■武家屋敷
つづいてやって来たのは、お城の南側にある武家屋敷。
お城に近いこのあたりは、上級武士の住まいがありました。
歩いて行くと、
奥さん 「えっ?! 小村寿太郎生家だって!」
への次郎 「ほんとだ! 飫肥出身だったんだね」
軽トラでおひな様を運んで来たようで、飾る準備をしていました。
上級武士の屋敷群から、南にやって来ました。ここ、ちょっと雰囲気が違いますよ。
このあたりには、中級武士の屋敷がありました。
見ていたら、左の家の溝のあたりで「ワン!」。「えっ?!」と思って行ってみたら、
への次郎 「鯉だ!」
奥さん 「えっ?! 鯉が鳴いたの?」
鯉はさかんに激しく、口をパクパク開けていました。
飫肥の武家屋敷の特徴は、なんといっても石垣。いろんなのがあって、
石垣、土塀、生け垣、門が残っている武家屋敷一帯が、飫肥の重要伝統的建造物群保存地区の中心地になっています。
■商家町
つづいてやって来たのが、中級武士の屋敷群の南に位置する商家町です。
本町商人通りといいます。道を拡幅したのに伴って、古い景観を復元しているようですね。
先ほど買った「あゆみちゃんマップ」、この一帯で効力を発揮しました。まずは食べ歩き。
おび天本舗のおび天ぷらと、ギャラリーこだまの厚焼玉子。ともにここの名物です。
普通のさつま揚げや厚焼玉子とは、食感が違いました。
つづいてお土産ゲット。
安藤商店のうすくち万能しょうゆと、岡本商店の長寿箸。
奥さん 「小腹も満たされ、お土産もいただけたわ」
への次郎 「お昼が近いから、油津でランチにしようか」
この日、飫肥の最高気温は19度。飫肥城下は、菜の花が満開でした。
最後に飫肥の感想。
小京都の中には、観光客を迎い入れるために、どぎつい商業化に走っているところもありますが、ここは違いました。静けさの中に、上品なたたずまいを保っていました。
つづく