平安時代末期から鎌倉時代の初期って
日本史の中でも、あまり記憶に残る大きな出来事がない時代のような気がします。
「保元・平治の乱」以降、「鎌倉幕府を開く」までの間の出来事は、
「平家物語」や「源平盛衰記」「吾妻鏡」などのような物語には
あらわされているかもしれないけれど、
およそ、歴史の教科書にはあまり詳しく載ってはいません。
(私の記憶にないだけかもしれない、苦笑)
それだからなおのこと、
今、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を見ていると、
あの時代の歴史的背景や出来事、登場人物を詳しく知りたくなるのです。
何回目かの放送の時、
『文覚(もんがく)』なる胡散臭い坊主が出てきました。
市川猿之助さんが演じていましたので、
これから先も、きっと何らかの形で
絡んでくるんだろうな、と想像がつきました。
『絵巻・平家物語』という絵本の全集があります。
この絵本は、
文は木下順二、ですが、彼は「平家物語」の中から、
彼自身が面白いと思った人物を取り上げて(それが9人)いて、
絵は瀬川康男、が担当しています。
全部で9巻あるのですが、第1巻を発売(1984年)後、
最後の9巻が発売されるまで8年かかりました。
およそ1年かけて、1巻ずつ制作していた勘定になります。
昨年、たくさんの本を断捨離しましたが、
この絵本全集は手元に置きました。
さて、その全集の中の『文覚』ですが、
実に面白い人物です。
もちろん、誇張も存分にあるのでしょうが、絵本の帯には
こんなふうに書かれています。
「どんな強者や権威であっても挑みかかる文覚。
ある時は平家へ真っ向から立ち向かい、源氏へもくってかかる。
源氏の総大将である頼朝をさえ、ある時はおだて、ある時は脅し、
後白河法皇へでも、けんかを仕掛ける。」
義朝(頼朝の父)のものだと、汚い布に包んだどくろを抱いて
頼朝の前に現れる、
大河ドラマの中にあったシーンは
ちゃんと平家物語の中にもありました。
そんなふうにして『文覚』を読みすすめてみると、
これからの「文覚」の登場に、期待が膨らみます。