この本を知ったのは「記紀解体」近江雅和著の本の中で参考文献の中の一冊だった。
この本「謎の出雲帝国」(昭和55年)の著者、吉田大洋氏も言っているが、私自身も古代史への視野が広がり見方や考え方がが変わりました。
まぁ、私の場合は変わったと言う程知識は無いのですがね。
この本を読んで歴史の裏側をチョットだけ覗けたような気がします。
ブログの中でも何度も書いていますが、やはり勝者によって歴史はねじ曲げられたり、刷り込みされ、自分の解釈で固定観念を持ってしまいがちですね。
この本についてどこまで引用が可能か? いや引用自体駄目なのではと思いますが、概略だけではとても内容を伝えることは不可能と思い、富氏の経験談は一部著者の文を引用させていただきます。
さて、その富氏ですが、アラハバキの記事で多少触れましたが、女性週刊誌(女性自身)のシリーズ人間の中で「4000年のタイムトンネルに生きる男」元サンケイ新聞編集局次長
富當雄(とみまさお)さん当時67歳 。
この記事を見た、出雲古代史の研究をしている著者吉田大洋氏が富氏と会い質問に答えるという形で始まったのです。
著者はオオクニヌシの直系が実在し、それを伝承していることと、出雲の国ゆずりの話に及んだ時は鼓動が早くなり高まったと言ってます。
それではどのように伝承されて来たのでしょう。
日本の神話「古事記」は稗田阿礼(ひえだのあれ)という語り部が物語ったものを漢字で記録したものです。
和銅5年(712年)に漢字が輸入されてからは、語り部の存在は必要がなくなり消え失せてしまったようです。
しかし、この時代に4千年の歴史を文字にせず記憶の中に封じ込めて生きている人がいたのです。
その内容をカットしながらまとめてみます。
それは、富さんが16歳の時の事でした。
彼は父(大分地方裁判所の判事)の元を離れ、本家の富饒若(にぎわか)さんの養嗣子になり、最初の冬を迎えた12月下旬のひどく寒い夜だったそうです。
※何故養子になるのかは2話で説明します。
養父に風呂場で身を清めるように命じられたそうですが、その理由はいつにない形相の養父に尋ねることが出来なかったといいます。
全身を洗い清め水をかぶり上がると、白い麻で織った衣服が揃えられ、まるで埴輪などがまとっている古代服だったそうです。
養父に従って裸足で玄関へおりると、養母が祈りを込める目で彼を見つめ火打ち石を鋭くならし。
お供の下男がかかげる提灯の灯りをたよりに、出雲大社の東、宇伽山(うがやま)の麓にある出雲井神社まで約15分間、口もきかずに向かった。
ここには、富家の遠(とお)つ神租(かむおや)、久那戸大神(クナトのおおかみ)は、日本列島を産み出した伊弉諾・伊弉冊の大神の長男、つまり出雲王朝の始祖なのです。
社殿の階に葦で編んだ敷物が広げてあり、中央には塩が盛られ養父は左に16歳の彼は右に正座して相対した。
父が口をきった。
「これから語ることはわしが言うのではない。神祖さまがおっしゃるのだ。心して聞け。そしてしっかり覚えよ。いずれお前が子に伝えるまで、たとえ兄弟たりとも他言無用。命をかけてこれを守れ!」
この瞬間、彼は寒さにガチガチと奥歯を鳴らしていたのがピタリと止まり全身が緊張で熱くなり脳髄が研きあげられたかと思うほど澄みきった。
富さんは、4千年前からの口承伝承されてきた祖先の生きざまをこの夜から10年間に渡って連続反復して養父から聞かされたのでした。
それは、神と人とが対話する形式で語られ、質問は許されない。
質問を抱くなどもってのほか、養父の言葉をそのまま一語も洩らさず丸暗記するのです。
彼の脳裏にきざみ込まれた出雲王朝から現代に至るまでの富家の歴史は悲惨この上ない血みどろの物語だったのです。
そして確かにこれは、他人には絶対に語られない内容だった。
なぜならば、出雲族は天孫族(天皇家の祖先)と長い闘争のあげく、帝位を奪い取られて徹底的な滅亡の道へ追いやられたからだ。
その屈辱と怨念の歴史をどうして天孫族の支配が続く世の中で口外できるだろうか。
ただひたすら親から子へ子から孫へと語り伝えいつまでも忘れずにあれと願うほかはない。
しかも、この伝承者に選ばれた者は獣肉を口に出来ないそうだ。
また、自分の跡継ぎ以外は肉親であろうと敵だと思わなければならなかった。
いつの世でも親類縁者がもっとも危険な敵となるからだ。と富さんは言う。
つづく
興味深い話はこれからつづきます。 本日ここまで。
この本「謎の出雲帝国」(昭和55年)の著者、吉田大洋氏も言っているが、私自身も古代史への視野が広がり見方や考え方がが変わりました。
まぁ、私の場合は変わったと言う程知識は無いのですがね。
この本を読んで歴史の裏側をチョットだけ覗けたような気がします。
ブログの中でも何度も書いていますが、やはり勝者によって歴史はねじ曲げられたり、刷り込みされ、自分の解釈で固定観念を持ってしまいがちですね。
この本についてどこまで引用が可能か? いや引用自体駄目なのではと思いますが、概略だけではとても内容を伝えることは不可能と思い、富氏の経験談は一部著者の文を引用させていただきます。
さて、その富氏ですが、アラハバキの記事で多少触れましたが、女性週刊誌(女性自身)のシリーズ人間の中で「4000年のタイムトンネルに生きる男」元サンケイ新聞編集局次長
富當雄(とみまさお)さん当時67歳 。
この記事を見た、出雲古代史の研究をしている著者吉田大洋氏が富氏と会い質問に答えるという形で始まったのです。
著者はオオクニヌシの直系が実在し、それを伝承していることと、出雲の国ゆずりの話に及んだ時は鼓動が早くなり高まったと言ってます。
それではどのように伝承されて来たのでしょう。
日本の神話「古事記」は稗田阿礼(ひえだのあれ)という語り部が物語ったものを漢字で記録したものです。
和銅5年(712年)に漢字が輸入されてからは、語り部の存在は必要がなくなり消え失せてしまったようです。
しかし、この時代に4千年の歴史を文字にせず記憶の中に封じ込めて生きている人がいたのです。
その内容をカットしながらまとめてみます。
それは、富さんが16歳の時の事でした。
彼は父(大分地方裁判所の判事)の元を離れ、本家の富饒若(にぎわか)さんの養嗣子になり、最初の冬を迎えた12月下旬のひどく寒い夜だったそうです。
※何故養子になるのかは2話で説明します。
養父に風呂場で身を清めるように命じられたそうですが、その理由はいつにない形相の養父に尋ねることが出来なかったといいます。
全身を洗い清め水をかぶり上がると、白い麻で織った衣服が揃えられ、まるで埴輪などがまとっている古代服だったそうです。
養父に従って裸足で玄関へおりると、養母が祈りを込める目で彼を見つめ火打ち石を鋭くならし。
お供の下男がかかげる提灯の灯りをたよりに、出雲大社の東、宇伽山(うがやま)の麓にある出雲井神社まで約15分間、口もきかずに向かった。
ここには、富家の遠(とお)つ神租(かむおや)、久那戸大神(クナトのおおかみ)は、日本列島を産み出した伊弉諾・伊弉冊の大神の長男、つまり出雲王朝の始祖なのです。
社殿の階に葦で編んだ敷物が広げてあり、中央には塩が盛られ養父は左に16歳の彼は右に正座して相対した。
父が口をきった。
「これから語ることはわしが言うのではない。神祖さまがおっしゃるのだ。心して聞け。そしてしっかり覚えよ。いずれお前が子に伝えるまで、たとえ兄弟たりとも他言無用。命をかけてこれを守れ!」
この瞬間、彼は寒さにガチガチと奥歯を鳴らしていたのがピタリと止まり全身が緊張で熱くなり脳髄が研きあげられたかと思うほど澄みきった。
富さんは、4千年前からの口承伝承されてきた祖先の生きざまをこの夜から10年間に渡って連続反復して養父から聞かされたのでした。
それは、神と人とが対話する形式で語られ、質問は許されない。
質問を抱くなどもってのほか、養父の言葉をそのまま一語も洩らさず丸暗記するのです。
彼の脳裏にきざみ込まれた出雲王朝から現代に至るまでの富家の歴史は悲惨この上ない血みどろの物語だったのです。
そして確かにこれは、他人には絶対に語られない内容だった。
なぜならば、出雲族は天孫族(天皇家の祖先)と長い闘争のあげく、帝位を奪い取られて徹底的な滅亡の道へ追いやられたからだ。
その屈辱と怨念の歴史をどうして天孫族の支配が続く世の中で口外できるだろうか。
ただひたすら親から子へ子から孫へと語り伝えいつまでも忘れずにあれと願うほかはない。
しかも、この伝承者に選ばれた者は獣肉を口に出来ないそうだ。
また、自分の跡継ぎ以外は肉親であろうと敵だと思わなければならなかった。
いつの世でも親類縁者がもっとも危険な敵となるからだ。と富さんは言う。
つづく
興味深い話はこれからつづきます。 本日ここまで。
じつは参考文献の中に、司馬遼太郎さん著で「歴史の中の日本」及び「歴史を紀行する」が含まれていました。
産経新聞記者から作家に転進した司馬氏ですからね。
選ばれし一族のなかのたった一人の伝承者。
神の記録を失うわけにはいかない、その緊張感は、悲壮というよりも怖ろしいです。
自分ならば、あえて放蕩三昧の人生を選択して、逃げ回りたいところです。
ところで獣肉はダメでもアルコールはどうなのでしょうね・・・
後で地図を見て位地関係関係も知りたいところです。
自宅が出雲なら全部回ってみたいところです。
プレッシャ~!
まだ途中までしかまとめてないのですが。知りたいと思いますので印象深いところをUPしたいと思います。
特別な神社のようですね
今度機会あれば 行ってみます
古事記に残っている神話は
ものすごくデフォルメされてると思いますよ
だから
この話は信憑性が有るように思います (^_-)~☆
どんどん続けてくださいネ ♪
これは、古代史に興味がある人が読みますからコメント不要です。
長い文章なので、スルーすることをお許しください。
またお邪魔いたします。