朝井 まかて 著
長崎出島での薬草園作りを任された15歳の熊吉が園丁として成長していく話です。
依頼主は阿蘭陀人で医師で学者のふぃりっぷ・ふらんつ・ばるたざある・ずぃーぼると。(シーボルト)
先生は、熊吉のことをコマキ。奥方(お滝)のことをオタクサと呼びます。
ずぃーぼるとは、草木を母国へ生きたまま運びたいと思い、熊吉はそれに応えるため試行錯誤を繰り返します。
その中で、熊吉が丹精込めて育てた紫陽花の描写がとても素敵でした。
熊吉は御禁制の地図を母国へ送ろとした事件に巻き込まれます。
そして、ずぃーぼるとは帰国。
のちに阿蘭陀で出版した書物の中で紫陽花をヒドランゲ・オタクサと名付けたと。
シーボルト事件も紫陽花の学名も本当の事。
何だか不思議な気持ちになりました。