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甲斐、小菅のそば畑です。
ばあさんや、はいじいさんや。
伝統の昔話は、穏やかな老夫婦の会話で始まります。
昨今の爺様も婆様も元気になりました。
爺様の浮気を婆様がなじっています。
ところが一緒なのは、今も昔も爺婆は耳が遠いのです。
近所に丸聞こえの夫婦喧嘩です。
夫が、君はこうだよね。
暗算が遅いよね。という。
妻は、私は判断が遅い時があるのよ。
ええ、どうやら「あんざん」と「判断」の取り違えです。
こんな光景を、きみまろが取り上げ、ペーソスを交えた笑いに昇華させます。
老夫婦は、今も元気なのです。
同じ話を二人が延々と続けるのです。
いつしか話がすれ違っていることに気づき、笑うのです。
ところが、婆様の記憶はCDやUSBメモリーのように正確です。
貴女は、私が身重の時に、他所の女と浮気をしたのよ。
日時も、状況も正確に再現されるのです。おお恐ろしや。
あんなに大事にしたのには、涙と一緒に流されるのです。
あらゆる機能が低下しても、温かい気持ちはあせないのです。
こんな老夫婦になれないものでしょうか。
それには、「私には、あなたしかいない」と思い想われることでしょうか。
思い出を床の間に飾るではなく、
今生きていることを、せっせと手入れをしながら思いやるのです。
薄くなった鎌も、丁寧に研げば立派に使えるのです。頑張りましょう。
散歩道 映画館前 観に来よね
2015年10月7日