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絵のタイトルは、「あばたもえくぼ」です。
筍にも豆の房にもなにやら傷のような斑点があります。
見ようによっては、美味しいサインかもしれません。
今日は雪。
「自決した夫がどれだけ辛い思いをしたか考えると、私の苦労なんて」と、奥様は言われた。
夫は、敗戦濃厚な日本を救う技術(ジェット機図面)をドイツから日本へ持ち帰ろうとした。
家族あての遺書だけが残された。
ドイツの潜水艦で日本へ帰る途中に、ドイツは降伏した。
ドイツは、同盟国ではなくなった。捕虜になることを勧められたが、夫は家族の汚名を心配し自決した。
今日のタイトルは、「他人の苦しみ」です。
他人の苦悩は、なかなか分からぬ。
考えようともしない。
年寄りの話を聞くボランティアとして、夫は施設に行った。
夫が聞くどころか、自分の話を聞いてもらってるのよ。と奥様が言う。
他人の話に耳を傾けるのは、甚だ難しい。
私のブログも、人の役に立つなんて思いながら、自分の自慢話をしている。
私も経験者として、年寄として塩漬けになっているのだろう。
自分が生きてきた狭い世間に染まり、知らぬうちに社会(会社)の塩に漬かっている。
塩抜きはなかなかできぬもの。証拠に定年後再就職した子会社に染まることができない。
「他人の苦しみ」に思い至る。
どんなにつらかっただろうと考えるだけで、自分の前のもやもやが晴れていく。
妻の話にも耳を傾けるようになる。不思議ですね。
カフェに来られた80歳オーバーのご婦人二人が、
何の料理を出しても美味しいと言われる。
私は、推測した。
一人きりのご飯は、おかずが少ない。
若い人と同居でも、もう料理は作らない。
若い人は、残ったものを捨てる。旬の野草を料理にはしてくれない。
そんなことで、いろいろと出てくる料理が嬉しいのであろう。
一人住まいのご婦人が、カンリキ(耕運機)で耕してくれると嬉しい。と言われた。
近所なので、畑を見に行った。色んな野菜が植えてあった。取り残しもあった。
3反の畑を鍬で耕しておられる。少しの助けがあれば、好きな野菜づくりを続けられる。
私は、カンリキを軽トラに載せ、畑に向かった。
ほんの一時間、耕した。大いにお礼を言われた。
デイケアでゲームをしたり運動をするより、本当は畑仕事をしたいのである。
できた野菜を子供に送ったり、近所の友人にあげたい。
少しの助けとは、いったいなんだろう。
まずは、「他人の苦しみ」を知ることであろう。
地域活性化は、そんなことから始まるような気がする。
梅花さえ 肩をすぼめる 雪しずく
20203月14日