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アマゾンプライムで、見ていなかったシーズン8を最後まで観終わった。
そんで、ちょっと「24ロス」状態。
「24」と言えば、ジャック・バウアーだ。
ジャック・バウアーは、正義の味方だ。
優秀な捜査官で、誰にも負けなくて、彼の判断は絶対に正しくて、
正義のためならどんな手段もいとわなくて、
どんな時にも絶対にぶれないアニメのヒーローみたいな男なのである。
しかし、ジャックは極端すぎた。
ジャックの口癖は、
「他に方法はない!今やるしかない!」
だ。
ジャックは、必要とあらば犯罪者にも手を貸すし、
犯人を逃がすために仲間に銃を向ける。
むちゃくちゃなんだけど、目的は、あくまで正義を貫く事なのである。
その結果、最後のシーズン8では、
米国政府の要人やロシア政府の人間まで次々と暗殺していくという暴挙に出る。
恋人を殺されて復讐の鬼と化したジャック・バウアーほど、
恐ろしい暗殺者はいない。
どんな警備をもかいくぐり、恋人の死にかかわった人間を殺害していく。
必然的に、彼らを警護している警官も倒しながら。
今までは、捜査のため仕方なく、という言い訳ができた。
だが、最後のシリーズでは、
もはやそういう言い訳は通用しないくらいとんでもない事をやってのけてしまった。
ぜんぶ観終って、考えさせられた。
誰だって考えるだろう。
ジャックは、正義なのか?
ジャックは善人なのか?
善人とは、よい行いをする者。
いや、たぶん、悪い行いをしない者と定義すべきだと思う。
正義だと信じる者が、強行して、また争いを生むからだ。
正義は、危険だ。
本編の中で、ジャックは誰かに言われる。
「おまえは、関わる人間をすべて不幸にしている」と。
確かに本当にその通りだと思う。
このドラマは、それを言いたいのだ。
正義を押し通そうとすると、みんなが不幸になる。
世の中は、正義を振りかざしては上手くいかないのだ。
ジャックは、善人なのか?
それは、違うと思う。
ジャックは、正義感にあふれ、貫き通そうとする。
それも勇気が必要だ。
悪行を行うにも、勇気が必要だ。
どちらも、極端な行為だからだ。
日常を打ち破る行為だからだ。
そして、どちらも「善行」とは言えないと僕は思う。
善人とは、たぶん勇気を持たない人たちの事をいう。
自分が育ってきた環境、慣習、日常、教え、古き良きもの、
そういうのを壊す勇気を持たない者を、たぶん善人と呼ぶ。
善人は、守ろうとする。
いままで自分が歩いてきた道を、そのまま歩こうとする。
いま、気がついたら身の周りにある環境を、
これからも守ろうとする。
善人は、いつまでも、そこにとどまりたい。
善人は、ぬくぬくが大好きだ。
いま、身の周りにあるそこそこの平和が大好きだ。
ジャックは、破壊者だった。
そして、ジャックは、みんなの目の前から消えた。
ドラマの中の、誰も、どの登場人物も、もうジャックを見ることはない。
ジャックは、消えたのだった。
死ぬこともなく、消えた。
ラストは、CTUの無人偵察機がとらえたジャックのアップで終わる。
CTU臨時支部長にまで昇格したジャックの親友クロエ・オブライエンが、
ジャックの追跡をやめることを部下に命じて、映像は砂嵐となる。
残ったなー。
すごく後を引いて、ずっと考えていた。
う~ん、よかった。最高だった。
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