はじめに
トウカイコルリクワガタの北陸近畿亜種とされる
キンキコルリクワガタを兵庫県中部で採集しました(以下キンキコルリ)。
これにより県下で17種のクワガタムシを確認しました。
キンキコルリの採集に当たっては、神戸のSさんに現地を案内していただき
瓢箪坊主さんには交尾器の調査及び画像提供をいただきました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。
Platycerus属の分類に関しては、研究者の考えが統一していないことに加え
提唱される和名にまで混乱することがあるため
今回から、むし社製作「2023年カレンダー」を踏襲します。
そして、当blog記事のカテゴリー「コルリクワガタ」を
「ニシコルリクワガタ」と「キンキコルリクワガタ」の二つに改めました。
因みに兵庫県北部には
ニシコルリクワガタ Platycerus viridicuprus viridicuprus が分布しており
中部には、キンキコルリクワガタ Platycerus takakuwai akitai が分布しています。
両種の分布境界付近と思い採集したこのコルリはキンキコルリでした。
日時:2023年11月14日 10:00〜14:30
場所:兵庫県中部 標高:約1000〜1030m
天候:吹雪〜時々晴れ 気温:-2度くらい(氷柱ができる温度)
↓ この日だけ真冬並みの寒気 さすが雨男!
訪れた山含め、見える周囲の山々は広範囲に植林され
ところどころに自然林(二次林?)があります。
今回キンキコルリを採集した場所も杉林の中にポツンと残る狭い自然林からでした。
↓ 植林の合間に残る自然林
↓ 植林や伐採で分断された場所もありそう
↓ 日当たりの悪そうな斜面で雪と落ち葉をかき分け探す
↓ (・)があってもほとんどはハズレ!
↓ Sさん、幼虫発見
↓ これは?
↓ これは?
⇩ 取り出してみるとオスの新成虫
↓ こちらは残念ながら☆に
↓ 成・幼虫が出てきた細い朽ち木(中央3本)
この山は、北部で見るようなブナ帯ではなく
植林された針葉樹帯にミズナラを主とした広葉樹の林がところどころ残るような場所です。
成虫・幼虫は、湿度のありそうな斜面の黒く朽ちた広葉樹細材から出てきました。
↓ コブヤハヅカミキリの幼虫
同定の決め手
採集したオス成虫を瓢箪坊主さんに送り、交尾器の調査をしていただいた結果
キンキコルリの特徴を有することがわかりました。
↓ 左:中部採集個体キンキコルリ 右:北部のニシコルリ(瓢箪坊主さん提供画像)
↓ 上:北部のニシコルリ 下:中部採集個体キンキコルリ(瓢箪坊主さん提供画像)
↓ キンキコルリ 兵庫県中部産
↓ 左(上):キンキコルリ 右(下):ニシコルリ
これにより兵庫県で17種目のクワガタムシを確認したので
記事「兵庫県のクワガタムシーガチ概説」を更新しました。
今回の採集結果は、二人合わせてオス成虫2頭(1潰し)
本種と思える幼虫6頭(1潰し)計8頭でした。
吹雪の中、思うように身動きが取れない場面もありましたが
Sさんの案内で目的であったコルリクワガタを見つけることができました。
Sさん、寒いなか、お疲れ様でした。
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