新年あけまして おめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
はじめに
現在、兵庫県には以下のクワガタムシが分布しています。
マグソクワガタ・マダラクワガタ・ルリクワガタ・コルリクワガタ・ミヤマクワガタ
ノコギリクワガタ・オニクワガタ・オオクワガタ・コクワガタ・スジクワガタ
ヒラタクワガタ・ヒメオオクワガタ・アカアシクワガタ・ネブトクワガタ
チビクワガタ・マメクワガタ、以上
上記16種のうちまだ居場所を突き止めていない種は
ルリクワガタとマメクワガタの2種です。
*コルリクワガタに関しては近年の研究から
県下に分布するのは2種とする考えがありますが
本当にそうなのかよくわからないため、ここでは1種としました。
↓ 兵庫県北部個体群
*ツヤハダクワガタに関しては
記事「ツヤハダクワガタの空白地」にも書いた通り、確かな記録がありません。
↓参考画像:静岡県個体群
マメクワガタを求めて
マメクワガタ
Figulus punctatus Waterhouse,1873
体長:8~12mm程度
分布:沖縄~九州・本州・四国等の一部地域と離島
主に太平洋側沿岸部*海流によって分布を広めたとされる
県下ではマメクワガタの分布地として瀬戸内海島嶼が有名ですが
調べてみると、対岸の一部陸地にも分布するらしく(?)
昨年の12月と年明けにTさんと対岸及び島嶼でマメクワガタ探しをしてきました。
対岸探索
日時:2017年12月2日 14:00~16:30
場所:瀬戸内河口付近
天候:晴れ 気温15度前後
標高:約10~40m
↓ 河口付近の高台から
海に近い1級河川を目印にその付近にある神社周辺を何か所か探しましたが
発見できるのはチビクワガタで、マメクワガタを見つけることは出来ませんでした。
↓ チビクワガタが棲むクヌギ倒木(2017.12.2加古川市)
↑↓ 越冬中のチビクワガタ
↓ 若い成虫が混ざる
↑↓ チビクワガタ
島嶼・1回目
日時:2018年1月4日・14:03~17:25
場所:瀬戸内島嶼
天候:概ね晴れ 気温10度前後
標高:約3~30m
ついにやってきました。
県下に分布するクワガタムシ15種目の記録地です。
食事も後に島内を探して回ります。
一歩山に入ると思いのほか竹藪が多く
よさそうな広葉樹の朽ち木がなかなか見つかりません。
そんな中、うっそうとした竹藪でネブトクワガタと思われる幼虫を見つけました。
↓ 広葉樹赤枯れにて (14:25)
↓ 土中からも出てくる
まさかの副産物にテンションは上がります。
この島嶼でネブトクワガタを見つけたのは大きな収穫でした。
最後の土壇場
ネブトに気をよくした二人は本命を求めて探索を続けましたが、全く見つかりません。
時計を見ると、17時になろうとしています。
林の中では灯りが欲しくなります。
もう無理かな?
あきらめかけたとき、椿のような細い倒木からコクワガタらしき幼虫が出てきました。
なにげにその食痕を見ると小さな黒い粒があります。
ん? ・・・これは
「マメクワガタ!!」
↓ 17:00 ついにマメクワガタ発見(標高約25m)
⇓
↓ すぐ近くの倒木でも、らしき幼虫
↓ 同じ朽ち木からカブトムシ・コクワガタの幼虫
「他にもいるはず」と、LED片手にねばりましたが
夕闇が迫るばかりで、これ以上は続けられません。
駆け足で滑り込んだ渡し船、「奇跡の1頭」となりました。
島嶼・2日目
日時:2018年1月7日・14:05~17:20
場所:瀬戸内島嶼
天候:概ね晴れ 気温10度前後
標高:約3~50m
2回目の訪島です。
まずは、前回行けなかった場所を見て回りました。
↓ 流木も探すがいない!
沿岸部の原生林で状態のよい広葉樹倒木をいくつか見つけたのですが
マメクワガタの発見はありませんでした。
↓ 南側でコクワガタ ペア
↓ 大きなクヌギが集まる場所もあった
↓ オオキノコの集団越冬
このままでは時間だけが過ぎマメクワガタは見つかりそうにありません。
時計は16時半、前回発見した場所に急いで向かい、到着するや否や4日の続きを始めます。
↓ 2m近くあるシイの倒木
↓ マメクワガタ1頭出現
↓ 幼虫も沢山いる
↓ 成虫と幼虫
実はこの場所は前回知り合った方宅のすぐ近くで
やはり? ここが最後の砦となりました。
2回の島嶼探索で発見出てきた成虫は、4日=1頭、7日=1頭の計2頭でしたが
幼虫は一つの朽ち木から沢山発見でき、ルアーケースの枠の数だけ持ち帰りました。
原型の大半をとどめた朽ち木内にはまだ沢山の幼虫がいると思われ
この朽ち木で数年は発生を繰り返せるものと思います。
比較
持ち帰った個体をチビクワガタと比較してみました。
↓ 左:チビクワガタ 右:マメクワガタ
↑ わかりやすくするため体長を編集しています
確かに右はマメクワガタです。
大きさや色を除き、2種の違いはいくつかありますが特にわかりやすい部分は下図の〇部です。
↓ 〇=マメクワガタはギザギザあり
↑ 〇=複眼縁取りに違い
↓ チビクワガタ14mm・マメクワガタ10mm
↓ チビクワガタの赤い体色は若い個体と思われる
↓ マメクワガタ(2018年1月7日採集)
↓ 左の細長いのがマメクワガタ、右は恐らくコクワガタ
最後に
今回の島嶼探索で知り合った地元の方には島の案内だけでなく
クワガタ事情や風習なども教えて頂きました。
神社は「〇〇さん」と呼び、より身近な存在であることや
島にはイノシシがいること、島の方は昼からは山に入らない‥・等々
↓ 「昼からは山に入らないので・・・」ここでお別れ
そして、その方と出逢ったタイミングこそが「奇跡の1頭」をもたらし
2度目の離島時には再会もしました。
偶然とはいえ見知らぬ土地でこういうのは嬉しいです。
最初はこの島嶼に行けばマメクワガタが沢山いると思っていました。
事前情報ではた易く大量に見つかるようなニュアンスの記事もありました。
2度の探索で、かなりしっかり探したつもりですが
実際は、ホストになりそうな朽ち木がとても少なく、仮に発見しても”まずハズレ!
私たちのレベルではそう簡単には見つかりませんでした。
マメクワガタを発見できたのは1か所のみです。
倒木根元付近にいたカブトムシの幼虫集団の周りや
やや水分多目のところから発見しました。
成虫は、幼虫から1.5mほど離れた水分やや少な目のところに単独でいました↓
マメクワガタは家族で暮すイメージが強いのですが
この時期にはこういった見つかり方が普通なのかもしれません。
これで県下に分布するクワガタムシ15種目の居場所を突き止めることもでき
満足いく結果も得られました。
今は、筋肉と膝が痛いです。
ハードな探索、Tさんお疲れ様でした。
参考文献:
高橋寿郎,2000.兵庫県のクワガタムシ1・2,
きべりはむし(28-1・2).
マメクワガタ興味深いですね。
私も新年早々子供達を連れて沖縄の小さな登山を楽しみ、体力の衰えを痛感しました。登山道で赤枯れを見つけては割って見ましたが、やはり乾燥している材だとヤスデくらいしかいませんでした。
ネブト探しに沢まで下りたかったですが、子供達もいるので諦めて子供達の冒険のサポートとしました。
朽木の中でほぼ過ごすであろうマメクワガタはやはり不思議ですね。飛翔する事はあるのでしょうか?気になります。
本年も宜しくお願い致します。
おめでとうございます。
沖縄には3度行ったことがあるのですが、すべて旅行だったので残念な思いを残したままです。
いいですね、沖縄。
街灯でマメクワガタの発見はあるらしいのですが、稀と聞きます。
持ち帰った幼虫が羽化したら、適さない環境にして飛翔するか試してみたいです。
また、チビクワガタとの競合も試してみたいと思っています。
フィグルス属は結構好きで、以前ヒョウタンクワガタを飼育していた時期があり、他種にはない面白い生態の持ち主でした。
マメクワガタも不明な部分が多いので、楽しめそうです。
今年もよろしくお願いいたします。
さきほどマメクワガタ?らしきクワガタを見つけ、写真にだけ収めて逃しました。
これがマメクワガタなのかどうかを知りたいのですが、見て頂くことは可能でしょうか?(画像を送る手段がわからず…)
ちなみに、今年に入ってから3度は見ております。
こんばんわ
コメント欄の上に
「メールを送る」という枠があります。
そこからですと普通にメールが送れますので 画像を貼りつけて頂ければ見ることが出来ます。
オキナワいいですね^^
ついさっきまでオキナワマルバネの世話をしていました。