はじめに
*タイトルにNo.がある記事は
カテゴリから入ると飼育過程等が繋がります。
イオウマメクワガタの産卵セットを組んでもうすぐ4か月になります。
容器側面には終齢幼虫が見えるようになりました。
チビクワガタやマメクワガタなどのFIgulus 属のクワガタは
生涯の多くを朽ち木の中で暮し
また、幼虫の保護や養育を行う家族性(亜社会性)を持つことが知られています。
↓ イオウマメクワガタ(おそらくペア)
前記事「イオウマメクワガタ・2-産卵」でも書きましたが
本土の一部の地域や、一部の島に分布するマメクワガタ FIgulus punctaus は
親虫は幼虫が終齢になると次の繁殖を行うために幼虫の保護・養育を終了して
コロニーから出ていくそうです。
同属のイオウマメクワガタにもそういったことが見られるのではないかと思い
先月から”飼育容器を二重”にして親虫の様子を見ていました。
↓ 終齢幼虫
飼育容器二重セットの方法
①元の容器にあふれるほどマットを足す(以下、コロニー)
②大きな容器にマットを少し入れる(外容器)
③コロニーを②の外容器に入れ、二重にする
(コロニー内の親虫(成虫)は5頭)
*便宜上、使用した成虫を親虫としています。
実施期間は、2020年5月2日~6月14日で、この方法で親虫を外容器で発見したなら
コロニーを出たと判断することにしました。
↓ ①元の産卵セット(コロニー)、この上にマットを追加
↓ ③コロニーのふたをとり外容器に入れる
↑ 親虫がマットから外容器に落ちることを想定
↓ コロニーと外容器の隙間は10円玉以下
↓ ↑ 親虫は外容器に移動するとコロニーに戻るのは困難
↓ 右が二重セット 管理温度は22度前後で厳密ではない
結果
二重セットをしてから二日後には親虫2頭を外容器で発見し
4日後には外容器に3頭いることを確認しました。
一方、6月14日のコロニー掘出しでは親虫2頭が出てきたので
結果は、親虫5頭のうち3頭はコロニーを離れ、2頭はコロニーに残っていました。
そして、コロニーには初齢~終齢幼虫がいました。
↓ コロニーから出た親虫 5月4日
↓ ↓ ↓
↓ 6月14日 コロニーで見つけた2個体
考察
今年の2月20日に産卵セットを組んで、4月14日には2齢幼虫も容器側面で確認できました。
また、ゴールデンウイークに容器底部とその周辺で卵も確認しました。
親虫5頭の性比は、4♂1♀〜1♂4♀の範囲になります。
今回の観察では親虫5頭のうち3頭は確かにコロニーを出ましたが
そもそも親虫の雌雄判別ができていないため
それらが本当に幼虫の親虫であるかどうかは不明です。
また、コロニーに残る2頭もペアかどうかは判らないので
こういった観察をするには確かなつがい(雌雄)が必要でした、反省。
(当初は親虫6頭、途中で1頭死亡確認)
幼虫の数
6月14日の掘出しの結果は幼虫が75頭出てきました。
そのほとんどが終齢幼虫で初齢と思える個体は3頭でした。
また、卵らしきものはわかりませんでした。
↓ 6月14日 コロニーの完全掘出し
↓ 穴だらけ
↓ コロニーには初齢(3頭)~終齢後期までいた
↓ 終齢になりたて
↓ ほとんどが終齢幼虫
最後に
今回の観察ではそれらしき結果は出ましたが結論することはできませんでした。
次は、確かな一つがい(雌雄)を用いたいと思います。
まあ、観察結果はどうであれ「飼育島」で沢山産んでいたのでこれは◎でしょ?
↓ 蛹期に雌雄判別すべく終齢7頭を別飼い(次回観察用)
↓ 幼虫用のマット作成 食べかす+産卵一番
↓ 掘出した幼虫のまとめ飼育
参考文献:
岡島秀二・荒谷邦雄 監修,2012.
日本産コガネムシ上科標準図鑑.
株式会社学研教育出版.
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