キイロスズメバチの乾燥が終わりました。
50日ほどかけて自然乾燥させました。
キイロスズメバチはオオスズメバチと比べるとかなり小さいですが
それでもスズメバチはスズメバチ、怖い顔をしています。
越冬後のキイロスズメバチ(女王)は樹液に飛来しますが
そこには他のスズメバチもやってきます。
オオスズメバチ・モンスズメバチ・コガタスズメバチ・チャイロスズメバチなど
樹液酒場では、これら5種の中でキイロスズメバチは弱者の部類になります。
また、秋にはオオスズメバチに巣を攻撃され壊滅状態に追いやられることもあります。
ところがこのキイロスズメバチは木の枝や岩壁、ちょっとした空洞などにも栄巣できる
高い環境適応能力の持ち主です。
壊滅につながるような風雨を避けることができ
アリからの攻撃も少ない(栄巣初期)人の住居はより安全な繁殖場所となります。
更には都市部では人工的な緑化が捕食対象者を確保してくれたり
ジュース缶などの残りを吸汁することもできます。
おまけに天敵となるオオスズメバチは都市部には暮らしていません。
数を抑制していた天敵がいなくなればあとは適応能力がものをいいます。
昔は農村の民家や神社、寺などのよく見えるところに作られた巨大な巣を
人は縁起ものとして崇めたり、信仰するなど
必要な距離を保ち無用な摩擦を避けてきたようです。
所謂共存というやつです。
近年では開発が進み、人口が増え
人とキイロスズメバチとの距離は以前より接近してきました。
子供の頃、母親の実家付近で屋根の下に巨大な巣が複数ぶら下がっていたのを
懐かしく思います。
参考文献:
松浦 誠,1992.4,「都市で多発するスズメバチ[2]」
TEH INSECTARIUM vol.29.
財団法人東京動物園協会.
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