樹液に飛来
兵庫県北部の雑木林で樹液に飛来していたチャイロスズメバチを発見しました。
日時:2018年6月16日 16:05~
天候:晴れ時々曇り 気温:23度前後
そこは、通りすがりの雑木林ではありましたが
入ってすぐ、オオスズメスズメバチ・ヒメスズメバチ
コガタスズメバチ・キイロスズメバチを見ることが出来ました。
今の時期ならどれもギリギリ女王と思われ、どの種もそれなりに大型個体でした。
↓ 左:キイロスズメバチ 右:コガタスズメバチ
林内の探索を続けていると、クヌギの根元付近から1頭のオオスズメバチが飛び立ちました。
樹液の匂いが漂っています。
ふと見ると黒っぽいハチが樹皮めくれに頭を突っ込んでいます。
「おっ! チャイロスズメバチ」、気付かれないようにスマホを近づけます。
周りにいるアリやハエを蹴散らしながらせっせと樹液を舐めています。
「どこにでもいるなぁ~」
などと思いながらしばらく様子を観察した後ネットで捕獲しました。
捕獲した個体を容器に入れ樹皮下にクワガタがいないか見ようと思ったら
また、チャイロスズメバチが飛来していました。
時期と大きさからして2頭とも女王だと思われました。
↓ 捕獲した2頭
県下の分布について
スズメバチに興味を持ち始めた6年ほど前には県下に分布するチャイロスズメバチは
多くなく、珍しいと思っていましたが
南部の神戸市・姫路市・宝塚市、中部の丹波市、北部の豊岡市・養父市など
チャイロスズメバチは兵庫県の南部~北部にまで分布していることがわかりました。
↓ すべて兵庫県産
また、昨年は北部養父市の標高約720mで、ライトトラップにも飛来しましたし
今年も自宅車庫の蛍光灯に飛来がありました。
これらのことから、チャイロスズメバチは走光性があり
兵庫県では平地から山地帯まで広範囲に分布する普通種に近い存在ではないかと
最近では考えるようになりました。
↓ 左:2018年6月16日採集 右:2017年採集(中部)
↓ 2017年 中部地方で灯火飛来
↓ 2017年 北部地方標高約720m 灯火飛来
↓ こちらは静岡県産
期待
チャイロスズメバチは他のスズメバチ初期の巣を乗っ取ります。
オオスズメバチは他のスズメバチの巣を襲うことがあります。
↓ コガタスズメバチと思われる初期の巣
⇓ ⇓ ⇓ 内容
こういった在来種の習性がいずれ迫ってくるであろう
特定外来生物「ツマアカスズメバチ」の個体密度に何らかの影響を与えるのではないかと
少し期待もしています。
↓ ツマアカスズメバチ 対馬産(10月下旬採集・女王)
↓ ツマアカはミツバチを襲う
↓ 左:ツマアカ 右:チャイロ
↓ 左:ツマアカ 右:オオスズメ(山口県産) 左下:チャイロ
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