記事「ジャワ島東部のDorcus〜パリー?」の続きです。
これまでのあらすじ
今年のGWに見慣れない顔つきの
Dorcus系クワガタムシ野外個体をネットで見つけ
2ペアを購入しました。
産地は、ジャワ島東部のMt. Gumitirで
パリーオオクワガタとして販売されていました。
ジャワ島東部に分布するパリーオオクワガタといえば
東ジャワパリーこと Dorcus ritsemae ritsemae が知られています。
確かに当該個体は、Dorcus ritsemae の系統には見えますが
前者とは異なる特徴を有して見え
また、他亜種とも異なるように感じたため
急激に興味が湧き、飼育を始めたものです。
↓ ジャワ島東部 Mt. Gumitir産 59・60㎜ 野外個体
↓ こちらが既知種 東ジャワパリー Dorcus ritsemae ritsemae
↑ ジャワ島東部 Mt.Argopuro.産 62㎜ 野外個体
パリーオオクワガタ Dorcus ritsemae は
棲息地(多くは島)によってその姿がダイナミックに変化します。
仮に陸続きであっても異なる山塊に分布し
隔離された環境であれば
形態に差異が出てもおかしくはありません。
↓ Mt. Gumitir
↓ 母虫は野外個体33㎜と27㎜の2頭 持ち腹(2産卵セット)
割り出し
前記事では割り出しが早すぎたため
卵と初齢初期の幼虫を確認したところで終了しました。
あれから50日ほどが経過し
本日、本格的な割り出しを行いました。
↓ 27㎜メスのセット
↓ 27㎜メスからは15頭
↓ 菌床へ投入
↓ ↓ ↓
↓ 33mmメスセット
↓ 33㎜メスからは5頭
↓ ↓ ↓
↓ 合計20頭採れました
↓ 2回目の産卵セットを継続中
↓ ジャワ島東部 Mt. Gumitir産60mm 野外個体
↓ ジャワ島東部 Mt. Gumitir産59mm 野外個体
今日の割り出しでは2野外メス持ち腹で計20頭採れました。
近年では、先人の研究と努力のおかげで
菌床という優れた飼育用品・技術により
誰でも簡単に大型個体を
羽化させることができるようになりました。
来年の今頃には
Mt. Gumitirの正体を見ることができるものと思います。
参考文献:
塚脇智成,1998.月間むし(328):79-81.むし社.
水沼哲郎著,2000. Stag Beetls Ⅱ ,ESI.
西山保典著,2000.世界のクワガタG,有限会社木曜社.
藤田宏,2010.世界のクワガタムシ大図鑑6,むし社.
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