西日本新聞社旗夏季野球大会、決勝戦の最終回。
9-3の6点リードからマウンドに上がったSKG君が打ち込まれ9-6の3点差。
2死2、3塁。バッターは4番打者。
監督がピッチャー交代を告げる。
本大会6人目の投手としてマウンドに上がったのは、来期活躍が期待される6年生のYMG君。
本人は突然の指名に相当驚いたそうだが、一番驚き狼狽えたのはYMGオヤジだったそうだ。
YMGオヤジは農家なんだけど、地元で中学生に野球指導もやってる根っからの野球人。だけど、ふだんは天然のボケキャラで周囲を爆笑させる一面を持っているメタボオヤジ。
相手チームは本大会主管のUKHリーグでアウェイ戦の様相。
2死2、3塁、バッターは4番打者。
両陣営の応援のボルテージは最高潮に達し、一部の保護者はノドを傷めていた。
今期、YMG君は投手として初登板ではなかったろうか。
YMGオヤジも必死の応援だったそうだ。
YMG君は2ストライクまで追い込んだ。
残すは1球。
YMG君がセットに入り、グランドが一瞬静まりかえったそのとき、
大地を揺るがすような声がグランドに響いたそうだ。
『アっば投げろッ!アッばッ!』→訳「アレば投げろッ!、アレばッ!」→訳(アレを投げろッ!アレをッ!)
応援席でそう叫びながら独り腕を強く振ってみせているのはYMGオヤジだった。
「なんやアレって、魔球か?」
両陣営に不安と期待が交錯した空気が形成された。
バッターは幻惑・動揺したようだった。
「アレ」は単なる「ストレート」だった。
三振!。
それは、二度は使えない古典的な心理作戦だった。
優勝に花を添えるような完成度の高い大爆笑物語だった。
9-3の6点リードからマウンドに上がったSKG君が打ち込まれ9-6の3点差。
2死2、3塁。バッターは4番打者。
監督がピッチャー交代を告げる。
本大会6人目の投手としてマウンドに上がったのは、来期活躍が期待される6年生のYMG君。
本人は突然の指名に相当驚いたそうだが、一番驚き狼狽えたのはYMGオヤジだったそうだ。
YMGオヤジは農家なんだけど、地元で中学生に野球指導もやってる根っからの野球人。だけど、ふだんは天然のボケキャラで周囲を爆笑させる一面を持っているメタボオヤジ。
相手チームは本大会主管のUKHリーグでアウェイ戦の様相。
2死2、3塁、バッターは4番打者。
両陣営の応援のボルテージは最高潮に達し、一部の保護者はノドを傷めていた。
今期、YMG君は投手として初登板ではなかったろうか。
YMGオヤジも必死の応援だったそうだ。
YMG君は2ストライクまで追い込んだ。
残すは1球。
YMG君がセットに入り、グランドが一瞬静まりかえったそのとき、
大地を揺るがすような声がグランドに響いたそうだ。
『アっば投げろッ!アッばッ!』→訳「アレば投げろッ!、アレばッ!」→訳(アレを投げろッ!アレをッ!)
応援席でそう叫びながら独り腕を強く振ってみせているのはYMGオヤジだった。
「なんやアレって、魔球か?」
両陣営に不安と期待が交錯した空気が形成された。
バッターは幻惑・動揺したようだった。
「アレ」は単なる「ストレート」だった。
三振!。
それは、二度は使えない古典的な心理作戦だった。
優勝に花を添えるような完成度の高い大爆笑物語だった。