1967年秋にニューヨーク・フィルは創立125周年を迎え、これを記念して世界中の作曲家たちに作品を委嘱し、次々に演奏したそうです。
その作曲家たちとは、ソ連のシチェドリン、ドイツのシュトックハウゼン、アメリカのコープランド、ウィリアム・シューマン、そして武満徹。
↑ 小澤さん少年っぽ!
↑ 琵琶の鶴田錦史と尺八の横山勝也(右)
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武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」は小澤征爾の指揮で11月9日から四日間演奏され、好評を得た。
ノヴェンバー・ステップスというのは、曲が十一段から構成されるのと、この演奏会が11月に行われるのにひっかけて付けられたもの。
↑ ちなみに楽器の配置も指揮者を含め11の群に分かれています(Youtubeより)。
武満徹はこの演奏に立ち会うために渡米したが、出発に先立って「尺八と琵琶をこの曲で使用したのは邦楽と西洋の伝統的オーケストラが一緒にやるうえで、その調和よりも相違点をはっきり出そうと試みた」と語っていた。
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。。。刀を振り回す怖いサムライに追っかけられる悪夢にときどきうなされる自分には「ノヴェンバー・ステップス」を夜聞くなんてとんでもないことなんですが、最近は残念ながら世間の注目度が下がってきている感じもする武満作品の透明な世界をもっとまじめに聴いてみようと思います。
↑ ノヴェンバー・ステップス演奏時の写真ではないようです。
(写真と記事は「音楽の友」1968年1月号より)