「こないだ、やってもらった歯のウラが欠けちゃって、物が詰まるじゃんね」(三河弁)
ご当地の患者さんは、こんな感じで歯科医師に主訴を伝えます。
例えば、前回の治療で、前から6番目の第1大臼歯を治療したとします。
ここで第1大臼歯の舌側を確認したくなるのは、ご当地以外の歯科医師。
ご当地の歯科医師は7番目の第2大臼歯を確認します。
すると、やっぱり患者さんの訴え通り第2大臼歯が欠けています。
これはいったい、どういう事でしょう?
実は、三河弁では「後ろ」の事を「うら」と言うのです。
小学校の先生も「掃除をするから机をウラに下げろ」と言いますし、教室の後の予定を書く黒板は「ウラの黒板」と言います。
「次の体育は体育館のウラに集合」と言われて建物の外に行ってはいけません。体育館内の舞台とは反対側の後方に居るのが正解です。
「プリントをウラに廻せ!」と言われたら、ひっくり返して裏面を出すのではなく、自分の分を1枚取って後ろの人に残りを送り渡しましょう。
三河弁ネイティブはこんな初等教育を受けていますので、全国で「うら」と言えば「後ろ」って意味で通じると思い込んでいるのです。
「先生、入れ歯のウラが、空いてきたのか、入れ歯がガタつくんだけど・・・。」
実はこの場合、本当に「裏側」(義歯内面)だったりします。
ややこしいですね!