10日ぐらい前の台風進路予想では確か火曜日(8/27)に愛知県を直撃するとの話であったが、全く予想が外れ、大きく西に曲がり、そして東に進路を変えて九州方面から列島を舐めるように縦断するようだ。
自然科学というものは過去のデータや最先端の研究や有識者の豊富な経験・知識に基づく予想など様々な物事を加味して成り立っている。
「科学」なのではあるが「自然」相手なので、大いに裏切られることもある。
記憶に新しいところでは「南海トラフ地震臨時情報」で「巨大地震注意」が発表されたが、注意を要する1週間は予想震源域では何も起こらず、予想震源域以外の関東で震度5の地震が発生した。
「歯科医学」も分野的には「自然科学」である。
「人体」という「自然」を相手にする「科学」である。
教科書通りに進めても思った結果が出ない事もある。またその逆に思わぬ良い結果が出ることもある。手塚治虫や渡辺淳一の作品にもそんな場面はたくさん出てくる。
気象学者もきっと「自然」を相手に長年やっていると、人間の無力さを痛感しているはずだ。自然科学者なら自然の不思議さ、言い換えると神秘さに直面している。大げさな言い方をすれば森羅万象、神々が司っていると思えてくるはずだ。
優秀な自然科学者はプライドとかいろいろなしがらみや立場上「自然相手なので良く判んない」なんて軽々しく言えないが、心の中ではきっとそういった思いがあるはずだ。
さて、前置きが長くなったが「霞提」をご存じだろうか?
ざっくり言うと、堤防の一部がわざと下げてあり河川が増水した時はその切れ目から川の水を堤防の外側に流して下流域の堤防決壊を防ぐ仕組みだ。
(その他、参考資料等へのリンク)
豊川がオーバーフローする度に浸かる霞地区。
21世紀の今でも完全閉鎖は出来ずに、その地区の家屋、田畑が犠牲になり豊橋の市街地を守っている。
百姓が犠牲になり、城下町を守るシステムがそのままなのだ。
もうこうなると、それこそ風神雷神に祈るしかないのである。