雲のたまてばこ~ゆうすげびとに捧げる詩とひとりごと

窓の雨つぶのような、高原のヒグラシの声のような、青春の日々の大切な箱の中の詩を、ゆうすげびとに捧げます

青春18きっぷ+50歳の旅〜4日目

2024年06月20日 | 旅行
青春18きっぷ+50歳の旅〜4日目

 4日目は未明に目が覚めて眠れない。狭いネットカフェの部屋。
 もっとゆっくりするはずが7時にはセルフでの精算も無事に済んで、地下鉄の心斎橋駅からJR難波駅、3枚目の青春18きっぷに日付印を押してもらい、奈良に向かう関西本線の快速列車に乗る。天王寺で大阪環状線の列車に乗りかえ、大阪駅を目指す。久しぶりに若い頃お世話になった鶯色の山手線200系に乗れた。車内もモーター音も懐かしくうれしい。大阪駅では、ホーム上の列車に見えるカフェでモーニングサービスのパンとコーヒーを九州では見られない鉄道雑誌でしか見たことない列車を心の中でワーワー言いながら食べた。
 4日目の計画はフリー。最終目的地は姫路だ。夜10時頃までにホテルに着けばいい。最初は大阪市内でゆっくり観光しようかと思ったが折角乗り放題の切符があるので、JR線で行ける所まで行くのもいい。桜の時期なので高野山の桜を観てみたい気もしたが、京都に行くことに決めた。夕方まで京都で遊び、京都駅で駅弁を買って姫路行きの快速電車に乗り込む計画だ。
 一つは京都にある京セラ美術館を訪ねてみたかったことが大きい。お昼はカレーうどんで有名な日の出屋に行き、哲学の小道やインクラインを歩くのもいい。鉄道好きには憧れの梅小路機関庫、今は梅小路交通博物館にも行きたい。
 最初の予定では8時に起き、10時に京都駅に着き、まずは日の出屋に向かい、開店を待ってカレーうどんを食べてから美術館などをゆっくり回る予定だった。でも1時間早く起きたために、京都駅にも1時間早く着いてしまった。なら昼食には早すぎるのでどこかのお寺でも拝観することにした。駅前のバス乗り場から三十三軒堂で降車して、(バスは外国人や日本人の家族連れやグループで超満員)高校の修学旅行で訪れて印象に残っていた三十三軒堂を拝観。鎌倉時代の仏像が素晴らしかった。
 それでもカレーうどんの日の出屋の開店時間までには間があるし、流石にまだお腹も空いていないので、京都に来た目的である京セラ美術館を先に観ることにした。
 京セラ美術館は古い建物とリニューアルされた現代的な部分がよく考えられていてなかなか良かった。展覧会は常設よりも若い現代作家の企画展が面白かった。液体の中で生き物のように蠢く作品と糸で作った送電線の立体作品が面白かった。
 京セラ美術館を出て、日の出屋に着くと、すでに長い列。さらに近づくと、一番最後の男性で今日の分は売り切れ終了とのこと。ビックリだった。口の中がカレーを求めていたし、携帯の充電が早くもピンチとなり、充電も出来るチェーンコーヒー店のカレーで済ませた。
 をしたのであった。それから、20歳の頃に歩いた哲学の小道を歩いて、疏水を訪ねる。桜がちょうどいい感じで、とにかく人でいっぱい。特別に疏水を歩けたのは良かった。地下鉄で山科駅に出て、京都駅に。さらに初めての山陰線に乗って一駅、梅小路まで行く。一回は行ってみたかった梅小路機関庫を改装した鉄道博物館に行く。久しぶりに再会した形式のSLもあって懐かしい。ただボイラーの火を落としての静態展示なのが残念だ。唯一、動体展示されていた8620形が博物館のヒーローになっている。
 博物館で驚いたことがある。梅小路の扇型の大きな機関庫には、静態保存の日本の名機関車が並んでいる。その中にお召し列車牽引仕様のピカピカに磨き上げられたC51がいた(本当は人間ではないのであったと表現すべきだが)。前面には誇らしげに菊の紋章がついていた。そのC51の紋章を見ていた10歳位のお嬢さんを連れた若いお母さんの二人連れの会話が耳に入った。「お母さん、この花は何の花?」お母さんの答えを聞いて愕然とする。「何かなあ?コスモス?ダリア?」そこで、じいさんは黙っておられずに、天皇家の菊の紋章とお召し列車の説明をしたのであった。日本の教育はどうなっているんだ!
 博物館の閉館時間まで往年の鉄道車輌と幸せな時を過ごし、京都駅で駅弁ビールを買って東海道線の姫路行き快速列車に乗る。途中で暗くなり、姫路に近づくと遠くからライトアップされた姫路城が輝いて見えた。
 翌日5日目は朝から広島へ行く予定だったが、妻に電話したら、姫路に行って姫路城を見ないなんてあり得ないよと言われて、朝一番にお城に行くことにして寝た。

 
コメント
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