草にねて
小さな白い花の咲く野原に
ごろんと寝転ぶ
あおむらさきの空がいっぱいに広がり
白い雲が流れている
目を閉じても
太陽は輝いている
誰もいない野原を
ひたすら駆けまわる
草つゆは僕の服をすっかり濡らしてしまい
ああ この僕のこころよ‥‥
さあ目覚めろ、と言いたげに
小さな野バラがちくりとさした
(1974)
▲有明海に停泊中の貨物船。何か船って絵になりますね。
カーナビvs方向感覚
6月の第2日曜日、めずらしく長男が休みになったので、かねてから行きたいと思っていた福岡のイケアに親子3人で出かけることになった。
イケア(IKEA)は、スェーデン発祥の世界最大の家具専門店で、家具・インテリアに関わる雑貨、カーテン、寝具、浴室や台所用品、食器なども扱う大型の総合ストアだ。昨年の春、オープンしたイケア福岡新宮店は、九州初のイケアで、熊本で放送される情報番組でも度々紹介されていた。
と、言っても今とくに家具を購入する予定は無かった。食いしん坊の私は、家具よりも中にあるというレストランやフードコーナーの方に興味があった。
初めてで土地勘が無いので、前日にイケア周辺の地図をネットで調べて、チェックしていた。熊本市内の自宅を朝9時半に出発し、益城空港インターから九州縦貫道を北上、順調に走って古賀インターで高速を降りる。その後は、国道3号線に出て福岡市街方面に少し南下すればいい。
予定通り3号線に入り進んでいると、助手席の長男が、次のガソリンスタンドで左折するように言い出す。長男は自分のスマートフォンで、イケアをナビしているらしい。そのナビがイケアへの近道として左折を指示しているという。私は、3号線を南下すればイケアが見え、その辺りで右折するつもりでいた。
すぐにその左折ポイントのガソリンスタンド地点に着いて、私は長男のナビに従い左折。道は6車線の3号線の下をくぐり、事実上は3号線を右折したことになる。ところが、その道は私の頭の中のナビと逆の北に向かっている。
「これ、方向逆じゃない」
前方に注意して運転しながら、途端に不信が募り、血圧が上がる。
「違っていたら引き返せばいいじゃない」という家人の仲裁で、しばらく北に進んだあと、交差点に出て指示どおり左折。そこで漸く、長男のスマートフォンのナビと私の頭の中の方向感覚が一致した。そしてすぐにIKEAと書かれた大きな建物が見えて来た。
私の車には、ナビが付いていない。熊本市内の地図は頭の中にあるし、今回のように初めての場所に遠出するときは、予めネットを検索して、広い範囲の地図でだいたいの場所を確認し、縮尺の小さな地図で付近の目印をチェックする。わかりにくそうな場合は、メモをするか、プリントアウトして出かける。
そこまで準備しておけば、まず迷うことはほとんど無い。
カーナビ不要論を唱えるつもりはない。土地勘の無い、知らない土地を走ることが年に数回も無い私にとって、あまり必要を感じないだけであって、仕事上、毎日のように知らない町を運転する車には必要だと思うし、渋滞がひどい都会では、抜け道などを教えてくれて便利だと思う。
私がカーナビを使わないのは、運転が下手だからでもある。気分的に大きな通りを右折することが嫌で、遠回りになっても出来るだけ左折で行くことができるように、道を選ぶ。だからもしカーナビに女性の声で、「次の交差点を右折してください」とやさしく言われても、私は無視してしまいそうだからである。
イケアに11時過ぎに着いて、結局店の駐車場を出たのは4時半だった。念願のレストランのスェーデン料理?は、サーモンも肉団子も期待はずれ。美味しかったのは100円のホットドックと50円のソフトクリーム、ドリンクバーのコーヒーだった。家具を買う予定はなかったのに、食堂の椅子を買い替えることになった。その他に、電気スタンドや台所の雑貨など、結構買ってしまった。
イケアからの帰路は、国道3号線に出て、古賀インターに向かった。3号線からインターは右にあるので、私の頭の中のナビで、次は右折だろうと3車線の一番右の車線を走っていた。すると、直前でインターへの接続道路は、立体交差になっていて、左折であることがわかった。交通量が多く、車線の変更が出来ずに、次の交差点でUターン。引き返して左折でインターの接続道路に入ることができた。こんな時は、方向感覚よりカーナビがいいなと思った。
(2013.6.24)
少女の海
ああ 少女よ
人の手にみな 物語があるとしたら
君は海の物語だ
( 私の耳には 潮騒が聞こえる
白い浜辺の砂のひとつぶが光っている)
私の煙草をいじっている、少女よ
その爪は さくら貝にそっくりだ
私は君の顔に煙を吹きかけ
君はあわてて それをはらう
五つの貝殻を光らせながら
ああ 少女よ
私の哀しみは 消えるだろう
君が何も知らず 行きていけるとしたら‥‥
(1976.12.3)
空
どんなに心がくもっていてもお前はそれを晴らして
くれるその限りない青い色のそのやさしい青い響き
の心のひろがりたとえ雲がお前をおおっていてもお
前はそれよりも高いところで晴れゆくのを静かに待
っているいつも僕らの上にあり僕らをそっとみつめ
ている僕らは空を忘れてはいないだろうか僕らは空
が僕らにしていることを知っているだろうかだけど
空は怒らないそして僕らがふっと空を見つめたくな
る時をいつも僕らの上にあり待っているまっている
空を見上げようそれは僕らのゆめのすがた‥‥‥‥
(TSへ誕生日に・1973.10.15)
どんなに心がくもっていてもお前はそれを晴らして
くれるその限りない青い色のそのやさしい青い響き
の心のひろがりたとえ雲がお前をおおっていてもお
前はそれよりも高いところで晴れゆくのを静かに待
っているいつも僕らの上にあり僕らをそっとみつめ
ている僕らは空を忘れてはいないだろうか僕らは空
が僕らにしていることを知っているだろうかだけど
空は怒らないそして僕らがふっと空を見つめたくな
る時をいつも僕らの上にあり待っているまっている
空を見上げようそれは僕らのゆめのすがた‥‥‥‥
(TSへ誕生日に・1973.10.15)