2日目の大きな目的は本四架橋を渡ること。最終目的地は兵庫県の尼崎市。姪の旦那が西ノ宮で営む小さなフランス料理店で姪と共に夕食を食べることになっている。今回の旅で唯一人と会う約束をしている日だ。
前夜は尾道でラーメンの夕食を食べた後に、再び列車に乗って1時間20分、8時半近くに岡山到着。ホテルは駅から続く地下道を通って行けるほどの距離だった。
1日目の行程がやや強行軍だったので、朝はゆっくりめに予定を立てていたが、思っていた程疲れもなく、ホテルの朝食を食べに1階のレストランに並んだのは客の中で3番目だった。洋食、和食の定食で和食をチョイスするはずが私の前に並んだサラリーマン風の若い男性が2人とも朝カレーを選んだのでつられて私もカレーをチョイス。外は雨。今回は5日目まで雨にたたられた。
朝早く起きたので、予定よりも1時間ほど早い快速マリンライナーで高松に向かう。岡山駅を出発した列車が本四架橋を渡る前の児島という駅で、JR西日本からJR四国に運転手と車掌が交代するのが面白かった。初めての本四架橋は残念ながら雨ですぐ下の海面こそ見えても瀬戸内海の美しい島波は見通しが悪く見られなかった。終着駅のような高松駅に到着。生で初めて見るJR四国の特急車両が並んでいる。ただ私的にはJR四国の車両のデザインは好みではない。そのまま高松駅でふだんは見られないJR四国の車輌を見て時間を過ごすことも出来たが、讃岐うどんの昼食には早いので(朝カレーが67歳の胃には負担だった)近くをぶらぶらすることに。
1時間早く起きたおかげで全く計画に無かった高徳線のレールバスのような車輌に乗って栗林公園に行くことができ、今回は諦めていた琴電にも乗車できた。
また栗林公園は素晴らしいお庭で、入園料を買うときに北口の売り場のおじさんに1時間程度しか見られないと相談すると、親切に園内の地図に行くべきコースを書き込んでくれた。ただ園内には中国人系の団体が声高に話しながら(と言うかほとんどさけんでいる)狭い園路でグループ写真を撮ったりしていて、しょうがないなあという感じだった。
讃岐うどんの駅そばの適当なお店を探すつもりが雨風が強くなり駅ビルの中のうどん屋さんできつねうどんを食べた。
計画より30分早く高松を出て再び本四架橋を渡って本州に戻り岡山駅で乗り換え。ここから尼崎駅まで相生と姫路でさらに2回乗り換え。夕方のラッシュにはまだ早い時間なのでどの列車も窓際の席に座ることが出来た。山陽線の列車は転換クロスシートが多くて座って外の景色も見たい観光客には大変ありがたい。(その点、我がJR九州の最近の車輌は通勤型に多いロングシートが増えていてつまらない)
神戸では以前神戸の出張の際に見に行った長田地区の鉄人28号の姿をチェック。明石海峡大橋もしっかりと確認した。神戸まで来ると複々線での快速列車と普通列車の並走や通り過ぎる駅は皆大きく、ビルや高層のマンション、ビッシリと並んだ一戸建の住宅など、すっかり都会の様相。駅にも車窓から眺める通りにも人があふれていて、あのたくさんの住宅やマンションの住まいにそれぞれの家庭があり生活があり笑いや哀しみや苦しみもあるんだろうなあと思うと、何だか見ていて辛くなってきた。熊本市ぐらいだとこんな気持ちにはならないんだけど。
姪っ子は仕事帰りにレストランの最寄りの駅で待ってくれている。ここで私はちょっとした失敗をした。
予定より早く宿泊地の阪神尼崎駅の近くのホテルに着いた。荷物を置いて身軽になり、阪神電車に乗って西宮に向かう。途中、憧れの甲子園が見えた。今年のシーズンから高校の後輩の大竹耕太郎投手が現役ドラフトでソフトバンクホークスから阪神タイガースに移籍。タイガースファンの皆さんに1人ひとり手を握って「大竹をよろしくおねがいします」と声をかけたいぐらいだ。
ところでその日の失敗は、約束したレストランの最寄駅を阪神の西宮駅だと思っていたこと。姪っ子が西宮北口駅とはっきり書いていたのに、私が西宮駅の北口だと思っていたことです。北なんとか駅とか上なんとか駅とかはあるけど、なんとか北口駅という駅名があるなんて熊本では考えられん。
この勘違いはギリギリで回避され、今津という駅で阪急に乗り換えて無事姪っ子に会うことができたのだ。姪っ子が結婚して依頼念願だった義理の甥が作ってくれたフランス料理のフルコースは期待通りで、ワインも皆美味しかった。
(2023.4.26)