ひつじが愛甲先生に当日ご質問をしたのは「胎児期の母親の状態も愛着障害に影響する」、というお話を聞いたからで、ご質問内容は、ひつじ家当主と こひつじちゃんについてです。
こひつじちゃんを妊娠中、1日何度も吐くことがありました。
吐くと胃や子宮周辺にぐっと腹圧がかかります。
実際、こひつじちゃんは「狭くて苦しかったから早く生まれたかった」と、2歳の時に話しています。
こひつじちゃんは、3日間の陣痛後に子宮破裂で生まれ、生後20分以上無呼吸状態で保育器にも入りました。
人工呼吸器を装着し、5分おきに辛い痰の吸引をしてもらいながら何とか命を繋ぎました。
ベビーマッサージで育て、あんなに苦しい思いをさせるのなら赤ちゃんは産みたくないと言っていた出生時のトラウマは消え、今では可愛いとニコニコして赤ちゃんを見ます。
義母は10代で糖尿病を発症していて様々な合併症もあり、当主を出産する前に数ヶ月入院しています。
帝王切開で生まれた当主もまた、保育器に入り、大きくなるまで何度も伯母に預けらたそうです。
兄弟で預けられ、義兄は帰りたいと泣き叫んだので母のもとに帰され、当主は自分も帰りたかったけど泣きたいのをこらえたそうです。
幼心に自分が頑張らなくては病気が悪くなってしまうと思ったのでしょう。
当主はその後も母親に甘えることができずに育ったのです。
ひつじ家のこどもが二人になり引越しをする際、こひつじちゃんと一緒に眠るためのセミダブルの寝具が欲しいと当主が言いました。
こひつじちゃんが4歳の時でした。
しばらくの間、二人は一緒に眠りました。
その後は時々ひつじ君が添い寝をしてくれ、こひつじちゃんは小学生の時にひとりで眠るようになりました。
16歳になったこひつじちゃんは、当主と仲がよく手のひらをもんであげたり、肩を揉んであげたり、一緒に美術館にでかけ、家ではソファにぴったり並んでテレビを観ます。
一般的に、思春期は父親と距離を取りたくなる時期です。
当主とこひつじちゃんにとっては、愛着形成のためにまだお互いの温もりが必要なのでしょうか。
そこで、ご質問をしたのです。
愛甲先生のお答えでは、こひつじちゃんが父親に対して距離を取る時期は、まだ少し先でゆっくりだろうということでした。
父親である当主に少し距離をとってもらうように話してはどうか、というアドバイスをいただきました。
今向かう方向が見え、安心しました。
神田橋先生の新刊『治療のための精神分析ノート』について浅見さんが、「1ページ読むのに10分かかる」とおっしゃっていました。
ひつじは、まず『人間脳を育てる』をていねいに繰り返して読むことにします。