プレ講演覚書の続きです。
浅見さんに続きお話された南雲明彦さんは、通信制高校の共育コーディネーターや講演会等でご活躍です。
支援を整理するというお話は、自分自身の頭の中も整理され、とてもスッキリとする部分がありました。
一時期、発達障害のお勉強会や講演会にいくつも参加し、自身も企画運営をしていましたが、そこでは周囲の理解や支援の充実を訴えるものが多くありました。
ひつじ地方ではこの10年で、
支援級の在籍数が増え、
通級指導教室が増え、
中学校に通級指導教室ができ、
公立高校に特別支援学校の分教室ができ、
特別支援学校の見学説明会は複数回開催されるようになり、
徒歩圏内に出来た複数の放課後デイサービスは土日も開所しています。
まさに、どこでも手厚い支援が受けられるようになったのです。
でも、不要不急の外出自粛で目にしたのは、支援者も人間であり、家族があるという現実でした。
感覚過敏でマスクが出来ない
不潔行為がある
予定の変更でパニックになり噛みつく
対面支援が今までのようには出来なくなった今、先の見通しが立たない中で、「ありのまま」の当事者とそのご家族はどう過ごしているのでしょう。
当時から昨年までの講演会や親の会では支援の情報交換もされていましたが、ひつじは複数の支援を受ける事には「あちこちで支援を受けると子どもが迷う、混乱する」と常に否定的でした。
上手くいかないと、評判のよい所はないかと情報を求め、状態がよいお家から支援情報を得ると、そこを新たな支援に加えようとするのは、発達障害親の会あるあるです。
南雲さんも、いろいろな人がいろいろな事を言うので支援によって自分の頭で考える力が混乱するとおっしゃいました。
早期発見、早期療育は、将来的に支援を薄くしていく為のものだったと思いますが、過剰な支援は本人や親の主体性を育てたでしょうか。
レスパイトは必要ですが、依存を産み、生涯に渡る支援がないと生きられない子どもが増えていると感じる中で、
大切なのは、その支援がその子の中でどう生かされたか、どう力になったか
本人も親も自分の頭で考えていく事が主体性を育てる
という部分に、納得でした。
南雲さんは、不登校や精神科の入院、高校を変えたい時に、専門家はいろいろな事を言ったが、家族はずっと応援してくれていた、手探りで不登校を家族で乗りきった、とご自身のエピソードをお話下さいました。
子どもにいらないものを見極めるのは、ずっと一緒に過ごして成長がよく見えた今が機会ではないかとも。
保育者や支援者が責任を持って守れる範囲は限られていて、最後に守れるのはやはり家族だと思います。
失敗した時に、自分自身で考え調整していく力をつけていく機会でもある今。
試されているのは家族力です。
大家族のように過ごしたこの数ヶ月で、ひつじは保育現場も変わらなければならないと思いました。
感染症の流行は、これからもあるでしょうし、地震や台風等の自然災害等、買い物や外出を制限される事態はきっとまたあると思います。
そうした中で、浅見さんの講演と南雲さんの講演は、中身が非常に濃く、未来の支援や生き方が見えるプレ講演でした。
来週は「感覚過敏は治りますか?」の栗本さんの講座です。
感覚過敏をお持ちの方で栗本さんの講座にご興味がある方は、レジュメをどうぞご覧下さい。
浅見さん、
南雲さん、
チーム神奈川の皆さん、
ありがとうございました。
来週も楽しみです。