山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

お魚釣りだって甘くない

2021年10月25日 | 釣り

 久しぶりの釣りで結構いい思いが出来たので、仲間のA氏に、結果報告と次回へのお誘いをしたところ、「行けそうだ。」という連絡が入った。早速、時間設定をして行動開始。

 この時期の日本海での釣りなら、山形を午前2時半出発で丁度いいようですね。釣り場に着いたときは、まだ真っ暗闇だったんだけど、仕掛けを準備して何度か投げていくうちにA氏にアタリが来た。

       鈴なりの釣果!(羨ましい!!!)

 マタギには、全く来ない。こういう時って、かなり焦ります。そして、頭を巡らせて理由を考え始めます。

 ポイント、ほぼ同じ。タナ(魚の遊泳する深さの想定)、ほぼ同じ。餌、全く同じ。

 んんん??何が違うんだ!?

 

  ポクポクポクポク チ~ン

 

 あああ、あれだ!

 気がついて、切り替えてみたところ、途端に釣れるようになりました。

       本日、連れ帰ったお魚たち

 A氏とマタギは、餌やタナだけでなく仕掛けの情報も共有しているので、同じ仕掛けのはずだったんです。だけど、前回の釣行で大型のアタリがあったときに、足元に寄せてくる途中で外れてしまうというミスが何度かあったんですよ。そこで、実は、仕掛けの針の大きさを1ランク大きくしていたんです。

 前もって、この話はA氏にも伝えておいたんですけど、

「俺は、家に残っていた今までの仕掛けしか持ってきていない。」

と言われていました。

 まあ、それは仕方ないことだ。もし、現地で大差がでるようなら、今までだって仕掛けの譲り渡しなんかもやってきているから、いざとなったらそれでもいいや、と、思っていたんだけど、その必要は全くなかったみたいです(っていうか、逆でした)。

 前回、マタギが使ったのと同じ仕掛けでA氏は爆釣。マタギは、策に溺れたということでしょうな。違う仕掛けに変えたために釣れない。そのことに気付いて同じ仕掛けに戻したおかげで、少々遅れはしたけど、それなりに釣ることが出来ました。魚釣りの奥深さを垣間見た気分です。

 超大昔(中学生の頃)に読んだ釣りの本で、著者が「世の中では、『大は小を兼ねる』と言われているが、釣りの世界では『小は大を兼ねる』のだ。」と語っていたことを思い出すとともに、その考え方の正しさを再認識させられた気がします。

 一応、解説すると、相手は生き物。警戒心だって当然あります。警戒されないためにどうしたらいいかって言ったら、『糸を細く』、『錘を軽く』、そして、『針を小さく』、その辺が基本になるってことです。それにしても、釣り人から見れば、たった1号の違いなのに、これだけ結果が違ってくるとは驚きです。改めて、勉強になりました。

       初冠雪の鳥海山

 夜が明けると、前回の釣行では見えなかった鳥海山の山頂部が白い帽子を被って姿を現しました。

 今回は、日の出の時刻を過ぎても、アタリが続いたんですけど、餌がなくなってきました。もう十分です。二人で目配せをして、釣り道具の始末に取りかかりました。

       本日も良い天気になりそう

 紆余曲折はあったけれども、楽しく、ためになるひとときを過ごすことが出来ました。海の神様に感謝しながら、峠を越えて山形に帰ります。

 


アジ君お久しぶり!

2021年10月20日 | 釣り

 ナメコの発生には少々の間が空きそう。したがってブナ林散策はお休み。カラマツ林からもプリンセスを連れ帰ったばかりなのでお休み。だったら、次の休日は・・・。

 久しぶりに海の情報を集めていくと、どうも、日本海側で大きめのアジが釣れ始まっているようだ。本格的な秋の訪れの証明です。だったら出掛けられないかな。春の事故以来、お医者さんから禁止されていたけれど、もう怪我の方はOKなんだから。

 仕舞ってあった用具類を点検してみる。すると、いつでも出掛けられる状態になっていることが分かった。そう言えば、シーズン突入と思った矢先の事故だったからね。何時でも行ける準備は出来てるってことが分かった。とすると、残るは天気だ。

 予報を見ると、降水確率は高そう。気温も低め。だけど、波は穏やかなよう。

 つまり、防水と防寒の備えをすれば釣りが出来るってことだ。もう決定です。行ってきます。

 結果。

       十分満足です

 久しぶりの釣り。その結果としては十分です。

 日の出の40分前に釣り始めたところ、1投目からアタリが来ました。中アジ。タナは、仕掛けの一番下。このポイントだと、底スレスレのはずです。

       雲は低くて厚いけど降雨はなし

       風は強いけど東風(陸から)なので波は低い

 その後、日の出時刻までアタリが続いたんだけどパタリと止まってしまいました。実質40分。隣の釣り人は常連さんのようで、聞いてみると、

「時合い(釣れる時間帯)は短いよ。」

とのことでした。こちらとしては、雲が厚ければ、ずっと薄暗いから釣れ続けてくれないかなという期待を抱いていたんだけど、おっしゃる通りでした。そんなに甘くはないようです。実は、もう一回り大きい回遊魚のための仕掛けも持参していたんです。これについても聞いてみると、

「まだ、来ていないみたいだね。」

とおっしゃいます。ネットでの情報と同じだと判断して切り上げました。

 結局、1時間ぐらいしか釣りはしていませんでした。でも、すんごく満足。だって、釣りが出来たんだもの。

     大したことないって言えばそうかもしれないけど、嬉しい!

 最近、石巻から鮮魚の贈り物が続いてありがたかったんだけど、100%の満足とは言えなかったんです。工夫して、調理して、みんなで美味しく食べてと、いいことずくめなのに。そこに唯一足りなかったのが、『獲ってきて』という活動。根っからの狩猟民族であるマタギには、これが必要だったんだよ。改めて自覚することが出来た気がします。

 海の神様、また遊ばせて下さいね。

 


海は広いな

2021年04月23日 | 釣り
 海は広いな大きいな。月は沈むし、日は昇る ♩
 ということで、海の空気を吸ってまいりました。


夜明けの赤灯台      

 美しいねえ。


クラゲの水族館にも朝日が当たる      

 そのうち、家族で遊びに来たいものだねえ。


遠くに温泉街を臨む      

 ああ、海は広いなあ!
 今日も天気がよさそう。風は冷たいが、爽やかな夜明けだ。

 だけど、1匹も釣れませんでした。夜明け前から頑張ってみたんだけど、私の仕掛けは全く反応なし。

 これは、季節が合わなかったのだ、と言い訳したくなるんだけど、


相棒の釣果      

 盛期には至ってませんが、魚は確かにいたようです。

 でも、私には釣れませんでした。ということは、私の腕が悪いってことだ。

 ま、仕方ねえや。何かが足りなかったってことだ。『タナ』かな?『針』かな?・・・

 こうやって一喜一憂しながらも、原因を絞り込んで、次につなげることも大切なお勉強です。

 次に遊びに来たとき、魚たちが微笑んでくれますように。

 遇ってみたいな アジの群れ ♩

タコがきたあ!

2021年03月11日 | 釣り
 明日は仕事が休み。天気予報を見ると、降水確率0%で、波の高さは1m。海辺の最低気温が氷点下に下がる以外は、前回のタコ釣り(空振り)とほぼ同じコンディション。
 また行くか?
 ここで、小さな葛藤。

 「また、行くの?」
「行きたい!」
「前回の空振りから、まだ5日目よ。気候だって、あんまり変わっていないのに。しかも、何時間もかけて。」
「でも、行きたい。季節が進むほど、他の誘惑が増えてくるんだから。山菜シーズンに入る前の、今でないとだめなんだ!」
「それもそうね。じゃあ、行ってらっしゃい。」


心の中の声だが、家族との会話とも重なる。基本的に、マタギの性格が分かってる家族は、「いってらっしゃい。お気をつけて。」なんだけど、本人の心の中に迷いがある。その元になっているのが、前回の完膚なきまでの完敗。
 狩猟民族のマタギは、常に、この収穫なしの恐怖を背負いながら漁(猟)に出掛ける。それは、マタギの技量を問われるだけでなく、家族の生死を決める命の分岐点なのだ。
 ・・・昔(と言ってもほんの少し前まで)は、こんな命がけの自然界とのやりとりが繰り広げられていたはずです。
 獲れなければ死。しかし、獲りすぎても死。そういうギリギリの折衝の中から妥協点を見いだして共存の道を切り開く。これが、人の生業だったはずなんです・・・。
 ゲゲゲ、話が大きくなりすぎたのでリセット。

 で、ですね、また遊びに行ったんですよ。うまいこと休みと天候の折り合いがついたものだから。
 前回と同じ時間設定で峠越えをして酒田港へ。


最上川河口から臨む夜明けの月山



日の出と漁船

この辺りまでは、先週とほぼ同じです。
 でも、今回は、ちょっと違いましたよお!
 仕掛けを垂らし、海底の感触を探っていると独特の手ごたえが伝わってきたんです。少々間をあけて、大きく竿を煽ります。仕掛けには『カエシ』がないので、絶対に力を緩めないように巻き上げます。
 おおっ、座布団サイズ!
 肩にかけていたタモ(枠と柄が付いた網)を伸ばして、タコさんを誘導。小型だったので、すんなり枠に収まりました。
 素早く陸地まで運び上げて勝負あり。


無事に上がりました



二年ぶりの獲物

 サイズ的には大したことないんだけど、とにかく、久しぶりの獲物だ。そこが嬉しい!『収穫なしの恐怖』を脱することが出来たのだから。
 そして、もう一つ。「誘う」ところから「取り込む」までの作業が、ほぼ思い通りに出来たこと。これもまた嬉しい。二年のブランクを乗り越えたことが実感できたのだから。

 海の神様に心からのお礼を伝える。
「ありがとうございました。」
「また来いよ。」という返事が聞こえた気がしました。


海に浮かぶ鳥海山

 そのずっと先にそびえる山々からは、「俺達のとこにも遊びに来いよ。」と言われている気がします。

 改めて、「これからもよろしくお願いいたします!」

至高の収穫

2021年03月07日 | 釣り
 休日の朝。午前3時20分。目覚ましが鳴るよりも早く目覚めた。予定よりも10分早いけど準備を始める。
 釣り道具や足回り、防寒具は車に積んである。冷凍庫から餌を運び出せば釣りはできる。準備OKですね。出発!
 ほぼ二年ぶりのタコ釣りだ。身体中からワクワクが溢れ出してくる感じ。
 ただ、この時期怖いのが峠の積雪と路面凍結。峠には、まだ数メートルの積雪が残っているのだ。最も寒い時間帯に越えるので、こちらはドキドキだ。ところが、本日はラッキー!路面は凍っていません。緊張を強いられることなく無事に釣り場入り口に到着。身支度を調えて、釣り場に向かい歩き始める。


 振り返ると、東の空が茜色に染まりつつある。


 山形の最高峰 鳥海山も機嫌良く顔を出している。


 午前6時になると小型の漁船達が港から動き出す。次から次へと出て行く。何か取り決めがあるのかもしれない。安全確保のためかな?
 防波堤の先端に向かって延々と進むうちに日が昇り始めた。


  ああ

  光の筋が差し込む

  山肌にも日差しが

 気持ちよかったあ!
 久しぶりに、大きな大きな自然の神様の腕にいだかれた気分。
 遙かに鳥海山を臨み、西には水平線。東から昇る朝日を一身に浴びるひととき、至福の時間となりました。

 「収穫物は?」って??

 こういう時にそんな質問は、ヤボって言うの。