「野山を散策したから満足!」
残念ながら、このマタギにとって、そんな非生産的な終結はめったにありません。というか、やっぱり美味しいお土産が出ていたら感謝を込めていただいてくるということ。で、この時期、山の中を歩けば、なにかかにかの収穫はついてくるものですよ。なんてったって、実りの秋ですから。
今回戴いてきた山の神様からの贈り物がこれ。
食べ頃のあけびです
実は、うちの庭にも生えているんです。春には可愛い花を咲かせます。でも、最近、実らなくなってしまった。
そんな事情もあったせいか、今回は食べ頃のあけびに出会ったので、久しぶりに持ち帰りました。
そういうわけで、あけび料理も久しぶりです。どうするんだっけ?
こういう時はネット検索ですね。
調べてみてビックリ。あけびの生産量は、なんと、我が山形が圧倒的な1位です。
山形と言えば、『さくらんぼ』。これが全国生産量のうち約80%ね。『洋なし』も圧倒的な1位で66%。ところがですよ、『あけび』に関しては90%だそうです。
しかも、驚いたことに、あけびの皮を食べる日本人は山形県民だけとか!(調べていったら他にも食べている県は少し見つかりましたけど・・・)
どうも、山形県は『東洋のアルカディア(アルカイダじゃないよ)』とか『桃源郷』みたいな言い方されてるけど、もしかしたら、典型的な『陸の孤島』なんじゃないか?なんだか、『山形県だけ』というものが多すぎる気がするんだなあ。
・・・ま、こうして山形の県民食を公開することも、山形を知ってもらうために悪いことではないでしょう。それでは、あけび料理、行ってみます。
≪あけびの味噌炒め+α≫
下ごしらえ・調理の部
・あけびの中の実を皮から外してザルへ
昔は、これをそのまま食べてた
・ここに牛乳1本分をかけてシャカシャカします
※実が緩んで溶けていきます
・これをグラスに入れて冷やしたら、甘いアケビジュースの出来上がり
あっという間に売り切れてしまいました
次のあけびの皮は、ゴーヤ料理を連想してもらえばいいんじゃないかな。結構苦みがあるんだけど、お好みでその苦みを調節します。(今回は苦み控えめバージョン)
・実をくりぬいた皮は、輪切りにして水にさらします
・沸騰したお湯で1分強湯がきます(アク抜き1)
再沸騰させます
・水にさらしている間に調味料準備
※味噌、砂糖、みりん、酒各大さじ2を混ぜておきます
これが基本かな?辛くしたり出汁を加えたりはお好みで
・多めのサラダ油を熱したフライパンでガンガン炒めます(アク抜き2)
高温で炒めることで苦みも飛ぶ(と思う)
・用意しておいた調味料を加えて、強火のまま和えていきます
※フライパンは止めないで揺すり続ける
※多分、放っておくと焦げ付く
・水分があらかた飛んだら、焦げ付く前に終了
山形の県民食が出来上がり
やっぱり旨いっす。甘くてしょっぱくてちょっとだけほろ苦いあけび料理が出来上がりました。
お陰様で、山形の秋の味を今年も楽しむことが出来ました。
ちなみに、残りのあけびは、湯がいた段階で真空パックして冷凍しました。今後、戻して食べる度に、秋の月山の風景が蘇ってくることでしょう。
山の神様、本日もありがとうございました。
・・・次の料理方法が閃いたんだけど、試すのは来年かなあ。