「この魚、知らない。」
おおっと、言ってくれましたね。
「何回も食べているでしょ。」
「ええ?分かんない。」
「あ、そう。」
こんなものなんですかね。ちょっと残念。
今回、最後に残った魚はカマス。正確に言うとアカカマス。証拠の写真を探してみると、
ほら、いっぱいいるじゃない
こんな画像も残ってますよ
確かに、石巻から送られてきたのは初めてだし、上の画像も十年ぐらい前のものなんだから仕方がないかもしれない。そして、このこと以上に大きいのが、魚に対する思い入れ。
釣り師マタギにとってのカマスは、仕掛けをひったくるようにくわえて走り回るナイスファイター。この手ごたえだけで魚に対する親しみが深まるのだ。
これに対して、料理を食べるだけだった妻にとっては、目の前を通り過ぎていくだけの食材。記憶に残らなかったのは仕方がないことだろう。
だったら、カマスを忘れられなくなるような料理に仕上げましょう!
これが調理人マタギの心意気ね。と言っても特別な技を使うわけではありません。丁寧に下ごしらえすることを心がけて調理すれば、美味しく仕上がるはずです。作るのは、
≪カマスの干物≫
今回届いたのは、いい型のカマス3匹。
意外と気難しい魚です
・丁寧にウロコを落として洗うことで、面白いほど臭みが抜けます
カマスと言ったら片袖開きです
・頭を残した背開きにして、鰓、ワタ、血合いを丁寧に洗い落としたら水気を拭き取って薄く塩
・今回は、そのままかごに移して一昼夜
翌日、回収に行ったら、猫が数匹、かごを取り囲んでいました。美味しいものが分かるんだよね。
調理の部
丸一日干すと水分がかなり飛んで、身が締まります。
・予熱なしのコンロで、強火30秒、弱火8分30秒で出来上がり
※干物なので、火力に注意
※身が締まっているの分かる?
・2匹しかコンロに入らなかったので、もう1匹は後から焼きました
※コンロに予熱があるので、焼き時間を1分間短くしました
本日の夕食
「カマスって、美味しいのね♡」
だから、最初から言ってたじゃない。カマスは、すごく美味しい魚なんです。今度は覚えてくれたかな?
ただし、大事なポイントが2つかな?
1,表面のウロコと汚れを丁寧に落すこと
2,身の水分をある程度落として締まらせること
この辺を心がけると大変美味しく戴けます。
これで、今回の『石巻からの挑戦状』は、何とか解決。箱が空っぽになりました。
例年以上に蒸し暑い中での大量の魚介。時間との戦いに、かなり焦ったんだけど、美味しく料理できてよかった。
南三陸の海の神様、ありがとうございました。
そして、もちろん、石巻の叔父さん叔母さん、ありがとうございました。