ゴゴゴゴゴ・・・
これは、除雪車の音。
まだ夜明けには遠い時間帯だが、情け容赦ない轟音と振動が軒先の道路を通り過ぎてゆく。
しかし、この音で目を覚ます暮らしが、当地の風物詩と言ってよいと思う。
いよいよ来ましたね。
窓を開けてみると、
おおっ、それなりに積もりましたね
当地では、降雪が15cmに達すると除雪車が出動する決まりになっているらしい。
そこまで降ったのは、今シーズン初めてだ。
で、除雪車が通り過ぎたから終わりと言うわけでないのが、少々厄介なところなんですね。
夜明けの時間を待って外に出てみる。
玄関前の様子
足跡は、新聞配達員の方のもの。ご苦労様です。
我が愛車も半分雪に埋もれている
これだけなら雪を払い落とせばいいだけなんです。でもね、
道路の両脇に雪の塊
この状態だと、車のすれ違いは無理。歩行者も非常に危ない。
そこで、お互いの家の前の道路の雪を片付けることで、雪国でのクオリティーオブライフを維持しようという共同作業に入るわけです。 それが雪かき。
夜明けとともに、完全武装して表に出ると、既にお向かいさんが作業を始めている。
「おはようございます。早くからご苦労様です。」
「はい。しかし、一気に積もりましたね。」
「うん。やっぱり冬だわ。しょうがねえ。」
このお方、一昨年引っ越してこられたのですが、徐々にご近所の『しきたり』というか、この活動の『意義』を理解してくれるようになって、今では大変積極的です。道路の安全確保とご近所付き合いが同時にできるんだからこんなありがたい活動はないってもんだ。
間もなく、お隣さんも出てきました。こちらさんも、大変協力的です。
おかげで、ちょっと歩いたり、運転してみたりすると分かるんですけど、我が家周辺の通りは、非常に安全で快適です。そして、おまけに、仲がいい。
「ようやく積もりましたねえ。」
「はい、とうとう積もりましたね。」
んっ? これって、ニュアンス違くねえか?
山間部に生活の拠点を置くマタギにとっては、『ようやく』なのだが、市内に拠点を置くお隣さんにとっては『とうとう』なわけね。
ま、この辺は、ライフスタイルというか価値観の違いからくるものでしょう。それで構わないんだけど、マタギにとっては、やっぱり『ようやく』という気持ちが大きいですね。
冬に雪が積もって、春に芽吹いて、夏に成長し、秋に実る。
こうした自然の営みがいよいと始まったという気分になれるんですよ。
なにはともあれ、
道路もきれいに片付きました
来るべきものが来て、1年のサイクルが流れ出しました。
今年は、どんな1年になるのかな。
楽しみにしたいと思います。