山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

ワラビを狙い撃ち

2022年06月13日 | 山菜採り

 ワラビの名産地Y川。その中でも最もいいワラビが採れる『広場』なのだが、前回は、訪問が早すぎた。マタギの通うワラビ採り場の中で、ダントツに高品質なワラビが採れるポイントなのだが、まだ雪が融けたばかりで、ほぼ空振りだったのだ。

 それから10日ほど空けて再チャレンジしてみることにした。

 ここ数日は、殆ど梅雨空と言ってよい天候で、気温は上がらず、日照も少ない。山菜の成長もゆっくりだったので、丁度いい頃合いじゃないかなと考えた。

 同行者は、この広場の発見者であるA氏だ。氏は、この周辺を熟知しており、地形はもちろん、どこにどんな山菜が生えるかもよく知っているY川の生き字引みたいなお方だ。

「今日は、斜面をまっすぐに下ってこの前のコースを逆に進んでみよう。」

「OK!」

前回、脚が上がらなくて運動不足を実感させられた斜面だ。今回は下りだからちょっとホッとした。

 木の枝に掴まりながら急斜面を下る。

       山菜の女王さんです

 前回は生えていなかったシオデが出ていた。『山菜の女王』とか『山のアスパラ』とか言われる美味しい山菜だ。いただきます。そして、

       こちらも女王様です

 オオナルコユリです。山菜とは思えないような甘さは、他の山菜や野菜の追随を許さない特別な美味しさです。いただきます。

 ・・・こうしてみると、山菜の世界には『女王様』が沢山いらっしゃるようですね。考えてみると、『山菜の王様』と言われるものも色々ある。まあ、いいんじゃないかな。トランプだって、王様も女王様も4人ずついらっしゃるんだからね。

 さて、無事に目的地に辿り着きましたよ。そして、目指すは『山菜の王様』ワラビです。

       おおっ!食べ頃!!

       出てる出てる

       あっちにもこっちにも

       分かる?この長さと柔らかさ

 我々、山菜採り人間の間では、『藪ワラビ』と呼ばれているんだけど、周辺の林や藪に守られて育ったワラビは、ことのほか柔らかく長く育つんですよ。だから、我々は『藪ワラビ』を珍重します。ここのワラビは、正にそれね。しかも、年に1回しか採らないから高品質で太い(詳しくは書かないけど、採りすぎれば間違いなく痩せていく)。

       ワラビの花園

 あっという間に、ハケゴが満杯になってしまった。

       本日の収穫

 今日は、と言うよりも、今年は、これで十分じゃないか。そんな気持ちになるくらい採れましたので、本日、打ち止め。

 A氏も堪能したようだ。

「いやあ、一番いいときに当たったねえ。」

「次は、タケノコだね。また連絡する。」

「あいよ。んじゃ、またな!」

家に着いて時計を見ると、まだ午前7時前。ゴミ出しから戻った妻が、

「ちょっと、早すぎない?」

と驚いている。いいんです、なんてったって、高級ワラビの狙い撃ちが当たったんだから。

 いい朝仕事になりました。

 山の神様、そして、A氏、ありがとうございました。次もよろしくお願いします。



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