山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

ありがとう いってきます(さんぽうた24)

2020年09月15日 | いきもの

  ありがとう いってきます   ももぞの あい

おとうさんが
はなしかけてくれた

 まあるくそだて
 やさしくそだて

おかあさんが
なでてくれた

 かわいくそだて
 きれいにそだて

おばあちゃんが
いのってくれた

 あまあくそだて
 おいしくそだて

そうして
わたしは

ここまでそだちました

ありがとう
いってきます



木の根元に銀マットが敷かれていました


近づくと桃の実です


すごく美味しそう



 散歩していると果樹園の木の根元に、銀色のシート。山形では、比較的よく見かける風景です。
 果樹の下からも光を当てて色よく仕上げる作業です。
 この桃も、もう間もなく出荷されるのでしょうね。見るからに美味しそうです。

 以前、果樹農家の仕事について調べてみたことがあります。それまでは、季節が来ると美味しい果物がワンサカ実って大もうけみたいなイメージを持っていたんですけど、1年を通して、じつに細やかな手間をかけて育てていることを知り驚くとともに、自分の認識の浅はかさを恥じました。
 『果樹王国山形』を支えているのは、それぞれの果樹農家さんの地道な努力なのだということを知り、改めて敬意をいだいたことを覚えています。
 あいちゃんも、きっとご家族からの深い愛情に包まれて、ここまで育ったんだろうね。
 我が家の食卓にも果物があがることが多い季節になったけど、それぞれの果物に、生産者の努力と愛情が込められているんでしょうね。
 感謝の気持ちを忘れずに味わいたいものであります。
 


こだわりのマイタケ料理

2020年09月14日 | キノコ料理
 深夜からの雨音。夜明け前、布団から這い出して気象庁の雨雲レーダーを見る。
 こりゃ無理だ。新潟から東北まで雨雲に覆われている。自宅待機決定。
 この雨が、連日の猛暑にさらされてきた動植物たちの力になってくれることを祈りましょう。
 さて、私はどうする?外遊びが出来なくなると、途端に選択肢が狭まってしまう。
 ま、新しいジャンルにチャレンジするパワーはないけど、これから先に向かう気力を高める活動なら出来るぞ。
 それは、マイタケ料理です。今、山に行っても手に入らないけれども、我が家のドラえもん冷凍庫には、大抵のものがあります。もちろん、マイタケもあるんですよ。これを使った料理で、キノコ採りの気分を盛り上げましょう!

  ≪マイタケの煮物≫

 下ごしらえの部
 ・冷凍しておいたマイタケ(100g強)をパックのまま湯煎して解凍

 ※採ってきたときからここまで、一度も水にさらしたり洗ったりしていません
 ※これがマイタケ料理の最大のこだわりです(香りと味を逃がさない)
 ※汚れは、削る、はらう、拭く で対応(ここには時間をかけました)。
 ・厚揚げ200gを食べやすい大きさに切り分ける
 ※必要に応じて油抜きする

今回は油抜き不要と判断


 調理の部
 ・上記の2品をサラダ油で炒める

火を通す

 ・だし汁カップ1と、酒、醤油、みりん各大さじ1を加えて中火で煮る

 ※醤油も少なめだし、焦げ付きやすい食材もないのでお気軽です

 ・具材と調味料とをよく和えながら水分を飛ばす
 ・水分が、ほぼなくなったら盛りつけ

はい、出来上がり


 料理中、マイタケの香りが台所中に広がっていきます。食卓に上がるまでのほぼ1年間、味と香りを閉じ込めてきた、こだわりの成果です。栽培品と一番差がつくのもこの辺だと思います。 
 この香りと味を楽しむと、「採りたては、もっと美味しいはず。」なんて意欲が湧き上がってくるんですね。
 そうして、自分の体力を限界まで鼓舞して山を歩き回る、秋のハイシーズンに突入です。

 さあ、今年は、どんな出逢いが待っているのでしょうか。

 To be continued! 

神様からのお裾分け

2020年09月13日 | 山菜採り
 自分で想像していたよりも山を歩き回る体力が落ちていなかったことにホッとした。これなら、今年のマイタケ採りも何とか楽しめるでしょう。

荘厳な御神木達

 日の差し始めた尾根の木々に別れを告げて谷底まで降りる。
 ここはまだ、夜明け前のトワイライトゾーンである。

白い小花の群落


丁寧に見つめると美しい
 帰宅して、調べてみると「アキノウナギツカミ」という不思議な名前の野草のようだ(自信なし)。

こちらは登山道沿いによく見かけるもの

「アキチョウジ」というらしい(こちらも疑問点あり)
 欲に駆られた急ぎ足だと見逃してしまうのだが、こうしてゆったりと歩くと、これまで見落としてきた自然界の機微が見えてくる。
 やっぱり、心のゆとり、そして、マイペースが大事だね。そんなことを考えながら、清々しい心持ちで下界に戻る。・・・わけない。
 せっかくここまで来て、収穫0なんてあり得ません。
 道々、ミズコブの成熟状況を観察しながら、少しずつ戴いて帰ってきました。

なかなかいい実り具合
 よく観察してみると、そこそこに日当たりが良くて水はけが良い場所は、成育が良さそうです。この辺の条件を頭に入れて上手に採取することにしましょう。
 これに、キクラゲを少々加えて、今度こそ帰路につくのでありました。


本日分の収穫です。慎ましやか。

 秋キノコの発生は、いつ頃になるかなあ?
 ま、いつかきっと出始めるんだから、神様からのお裾分けに感謝しながらのんびりと待ちましょう。

山の神様に挨拶

2020年09月12日 | キノコ採り
 「どうせ無理でしょう。」
 例年なら、血まなこになってキノコ採りの算段を整えているはずのマタギなのだが、今年は、全然その気にならない。
 なんつったって、9月だというのに連日の猛暑日ですよ。
 最近の気象庁の表現。「50年に一度の・・・」続いて「100年に一度の・・・」更に「これまで経験したことのない・・・」だって。日に日にバージョンアップしていくのが分かります。
 確かに、「これまで経験したことのない暑さ」です。そして、マタギの経験則。「冷え込みが来なければ、秋のキノコは発生しない。」チューリップや桜が、冷え込みを経験しないと成長しないのと同じだと思います。
 この2つを合わせると、「まだまだキノコなんか出るはずがない。」という結論に達します。
 じゃあ、おとなしく家に籠もっているの?と問われると、そうはいきません。
 やっぱり、これまでお世話になり、これからお世話になる山の神々に挨拶ぐらいはしておかなくっちゃね。
 これは、マタギとしての本音なのだが、勿論、下心もある。これだけの酷暑の山中がどうなっているのか、確かめておきたいという気持ち。そして、これから始まるマイタケ採りという名の修行に我が身をさらしてもやっていけるのか、確かめておきたいという気持ち。
 この2つの確認を目的にマイタケ山に出かけてみた。


ミズナラの巨木たちにご挨拶


去年、大変お世話になった切り株

 何にも生えていませんが、今後の恵みを願って頭を下げる。
 面白い物を発見!

ブナの幹に傷跡


幹の上まで続いています

 多分、この上に自家製ベッドを作って、ブナの実を食べたいだけ食べていたんだろうね。この痕跡から察するに、かなりの大物クマさんです。それが、こんな取り付く島もなさそうな幹をよじ登るんだから、大した爪と腕力だ。・・この神様のしもべには逢いたくありませんね。
 腰のクマ鈴をわざと大きく響かせながら下山する。

森の中にも日が差してきました


 何よりも嬉しかったのは、去年、青息吐息で登った斜面を、今年は、結構あっさりと登り切れたこと。

 山の神様、この秋もよろしくお願いいたします。また来ますね。

  To be continued!

あ、忘れてた。カテゴリーは「キノコ採り」でした。

こんなのをちょっと採ってきました


おれのなわばり(さんぽうた23)

2020年09月11日 | いきもの

  おれのなわばり  かまきり かぽね

おっ
いいはな さきそうだ
これなら
むしも あつまるんじゃねえ?

えっ
まだ だれもきてないの
らっきいだぜ
このばしょ もらっていいでしょう?

うっ
おれのはねと おんなじいろ
このはっぱ
みをかくすには ぴったりじゃない?

いっ
ここ ひとんちのげんかん
でいりもありそう
いいのかなあ?

あっ
だから ねこもからすもいないんだ 
だったら

きょうからおれが ここのかお!



玄関のカイザイクが咲きそうになると


彼もやってきました


邪魔者は いないな


俺の縄張りだ 文句あるかい



 「食欲の秋」と言っていいのでしょうか。かぽねくんも餌にありつけそうな場所を求めて、うちの玄関先にやってきました。
 そうして、葉っぱだか枝だかになりきって獲物が来るのを待ちかまえているようです。これを釣りの世界では、『木化け』なんて言います。狭い渓流で、鋭敏な神経をとがらせている魚を釣るための極意です。
 自分の存在を気付かせずに待ち、油断して近づいてきた獲物を一瞬にして捉える。
 なんだか、マタギの釣りと似ています。共感を覚えます。
 どうぞ暫く、ここを縄張りとして使って下さい。
 健闘を祈ってます。