山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

山葡萄ジュースを作ろう

2020年09月20日 | 山菜料理
 楽しかったヤマブドウ狩りだが、ある意味で帰宅してからが本番になる。いかに美味しい料理に変身させるかが、山菜との本当の勝負と言っていいと思うんですね。
 そうは言っても、ヤマブドウ料理は久しぶりでうろ覚えになっている。確か、「洗っちゃいけない」とか「砂糖をたっぷり」みたいなポイントが幾つかあったんだよな。A氏とも調理の流れを確認したんだけど、とにかく曖昧だ。ネットで検索した結果「タマゴマゴマゴ」さんのレシピが一番イメージに近いので、それをもとにして調理してみることにする。

  ≪ヤマブドウジュース≫


3㎏強ありました


 下ごしらえの部
 ・ブドウの房から色づいた粒だけを選んで分けていく
 ※結構大変。妻との共同作業になりました。
 ※青い粒は酸っぱすぎるので別扱い。他は捨てる。
 ・軽く洗ってゴミを落とします(発酵を目指さないから洗ってもOK)

黒いダイヤ 美しい!

 ・鍋に移して弱火で煮るんですが、水を少々注ぎました

1,5㎏ありました
 
 ・木べらで粒を潰しながら沸騰しないように弱火で煮ます

意外と大変 マタギは指をつってしまいました

 ・15分ほどで作業終了。冷まします。
 ・ガーゼで果汁を搾り出し別の鍋に
 ※絞りかすは捨てません

山葡萄エキスその1

 ・果汁に砂糖350gを加えて加熱しながら溶かしきります
 ※沸騰させませんでした
 ・残った絞りかすに水1ℓを加えて、再び潰しながら加熱
 ・冷ましてから絞ると、結構果汁が取れます
 ・こちらには、砂糖100gほど溶かして出来上がり

左のボトルが1回目、右の鍋が2回目の果汁


 夕食時に、早速2回目の果汁をいただきました。

見る角度によって


色が違って見えます


 いい香りです(ブルゴーニュの香りってが)。マタギには少々甘いけど、皆さん喜んで飲んでいました。
 ここまで辿り着くと、ホッと一息がつけます。
 美味しくて良かった。
 これで、山の神様にも顔向けが出来るぜ。
 めでたしめでたし。

山葡萄の季節

2020年09月19日 | 山菜採り
 ここにきて猛暑も収まり、季節本来の気候に近づいてきた感じがする。
 そうは言っても、秋のキノコが出始めるほどの冷え込みはない。どうする?
 A氏に連絡を入れると、キノコに関しては同意見のようだ。しかし、彼は、第2の矢、第3の矢を用意していた。Aノミクスである。
 氏が言うには、標高の高いところで木の実が充実する頃だとのこと。なるほど、キノコが駄目でも木の実があったか。で、第2の矢がヤマブドウで、第3の矢がアケビのようだ。
 確かに、これはいいかもしれない。明日同行することに決定した。
 そうして翌朝、5時過ぎに目的の山に着いた。しかし、ブドウが見えない。暗すぎるのだ。空に透かして、ようやく見えても、熟しているのかいないのか判断できない。秋の到来とともに、夜明けが遅くなってきたことをあらためて実感させられた。

フラッシュが光らないと見えない

「ヘッドランプ持ってくると良かったか?」
「いや。それだと、果樹泥棒みたいに見えるから止めとこう。」
「うん。」
周辺の様子を観察しながら、明るくなるのを待つ。
 さあ、ようやく明るくなってきましたよ。5時半近くだ。

こんなブドウのマントにもぐり込むと


黒いダイヤが待っていた


まだ青い粒もあるけどいただいてきました


ブドウ狩り

 道端での収穫なんですけど、けっこうな量になりました。
 欲タガリコンビは、第3の矢であるアケビ山にも向かったのですが、先日の豪雨で道路が決壊した模様です。通行不能のため諦めました。
 様子見と称して、もう一カ所ヤマブドウをいただいて、本日は終了。

山にも日が差してきました


 山の神様、そして、A氏、今回も楽しませていただき、ありがとうございました。
 いよいよ、実りの秋だねえ!

わたしでいいの?(さんぽうた25)

2020年09月18日 | いきもの

  わたしでいいの?   くずはな りの

のびすぎ
ひろがりすぎ
つよすぎ
めだちすぎ

そうかも
げんきすぎた
なつのわたし

れいせいにみれば
みなさんに
めいわくかけてるわね

でもね
わたし

やまとのくにの
あきのそうせんきょで
かみせぶんに
えらばれたのよ

よおくみて
はっぱがめだつけど
わたしのうりは
おはななの

はなやかではないけれど
わいんからあの
”わ”のたたずまい

そうせんきょでは
ぶっちぎりだったわ

そうはいっても
こんなわたしでよかったのか

いまもなやんでいる
わたし



 生命力の権化と言っていいかもしれません。その広がり方は、正に『はびこる』。
 日本人は、昔から、この生命力を食材や漢方薬として生かしてきました。「葛粉」や「葛根湯(かっこんとう)」などですね。
 このパワフルな植物が秋になると、小さな花をつけ始めます。

見逃してしまいそうなワインレッド


 この花の魅力を、いにしえの日本人達は見逃さなかったんですね。

情緒豊かな花穂です


すごく良い香りが昆虫を惹き付けます


 この花を『秋の七草』の一つとして数えるようになったのは、千年以上も前のこととか。
 日本の先人達の感性の豊かさに頭が下がります。

 ちなみにマタギは、この花を生物の住み分けの指標として活用しています。クズが生えるのは、低地から低山域。ある高度を超えると、山形では、ヤマブドウの分布域に切り替わります。ここから上は、ナメコが発生する可能性が高まるんです。
 だから、初めて訪れる山でも、クズ域かヤマブドウ域かで、採れるキノコの種類を予想できるんですね。
 結構、便利な花でもあるんですよ、りのちゃんは。


銅鍋ことはじめ

2020年09月17日 | 山菜料理
 「銅鍋、いいよ。」
山仲間のA氏が、以前から勧めてくれていた。
 調べてみると、保存していた山菜のうち、塩漬けを戻す時に銅鍋を使うと、不思議なほど見事に保存前の状態に戻るらしい。
 普通の鍋で戻しても、塩漬けの山菜はきれいな状態には戻らない。
 これは、化学の世界ですね。銅という物質と、塩漬けされた山菜という物質との間に何らかの化学反応が発生しているのでしょう。この辺の理屈は、そのうちに調べるとして・・・。

 銅鍋、欲しい!

 地区内の店を探し歩いたけれど見つからず。専門店の店員に問い合わせたところ、
「在庫の確認をしてからの発注になりますので、暫くかかります。」
とのこと。
 じゃあ、ネットで調べてみましょう。すると・・・、あるんですね。
 即座に注文してしまった。金額は、ふっふっふっ、秘密です。
 そうして、山に行けなくなってしまった本日、使い初めです。

鍋を煮出す

 よく分からないんだけど、最初にしっかりと煮て洗って鍋の状態を整えるんだそうです。そうして、本番。

塩漬け中のワラビを戻してみます

 再沸騰している銅鍋にワラビを投入。

 すぐに火を止めて裏返して冷ます
 銅鍋のゆで汁がしっかり冷めたら、鍋を替えて水にさらす(結構アクが出ました)。

冷水にさらして一晩おく


 おおっ、なんだか美しいではありませんか。採ってきたときの色に戻ったみたいですよ!錯覚じゃありませんよね、銅鍋効果。
 ここで慌てない。銅鍋をしっかりと洗って、干して。ワラビも、しっかりとアク抜きをしておいて。明日、戴きたいと思います。
 それでは、また明日。
 お休みなさい。
 ワクワク
 翌日、おひたしとワラビ汁にして戴きました。

 保存食とは思えない新鮮な色合いに感動!旨かったあ!
 これからの保存食料理が楽しみになってきました。

 銅鍋君、これからも、よろしく頼むよ。大切に世話するからね!

キノコ料理に変化を

2020年09月16日 | キノコ料理
 このところ、食卓やお弁当を彩る山の幸が、山菜からキノコにシフトしつつある。
 それ自体は、収穫が少ない中なのに、きのこ君の健闘として評価できることだと思う。
 しかしですね、折角キノコシーズンに入ったんだから、何時も同じ料理ではなく、多少変化をつけて楽しみのバリエーションを広げておきたいという気持ちも湧いてくるのだ。現在、マイタケの煮物は、お弁当の一品として活躍中。キクラゲは、酢味噌和えになって食卓に並ぶ。これはこれで美味しいのだけれど、何か別の楽しみ方はないものかねえ。

 ポクポクポクポク チ~ン

  ≪キクラゲの中華風炒め≫

 愛用している山と渓谷社発行の『日本のきのこ』によると、キクラゲは、和風料理に良く合うが、中華風料理にも極めて相性がいいらしい。キクラゲの食感を想像すると、おっしゃる通りだと思います。
 続いて、ネットのレシピを検索した中から、お試し版としては間違いなさそうなものを組み合わせて作ってみることにした。

 下ごしらえの部
 ・湯がいておいたキクラゲを短冊に切る(50gぐらいかな)

こんな感じ

 ・卵3個を溶きほぐしておく

 ・使う調味料は、中華だし、醤油、砂糖、酒、オイスターソース(各小さじ1ぐらい)にコショウ

中華鍋の脇で臨戦態勢

 調理の部
 ・中華鍋にゴマ油をしき加熱
 ・キクラゲをサッと炒める
 ・溶き卵を加えて混ぜる
 ・かたまりかけたら火を止めて調味料を全て入れる
 ・再点火して混ぜながら水分を飛ばす

出来上がり



 中華風味、確かに合いますね。キクラゲのコリコリが何とも言えないアクセントになります。
 あまり日持ちはしないと思うけど、ご飯が進むおかずになりました。
 今回はシンプルな食材だけど、組み合わせは、色々工夫できそうです。

 やっぱり料理は、面白いね。また、収穫があったら色々試してみます。