「みんな聞いてくれ、わしは四月から移住することにした」
カメと鳥の中間になった、八田二郎は話し始めた。
「やはり、小豆島に移住するのですか」
「いや、バーチャル空間に移住することにした。
見てくれ、あれが、わしが発明した、ホームレスハウスだ。
あの中がバーチャル空間になっていて、
タイムマシンも付いているのだ」
「地下道とかによくある段ボールの家じゃないですか」
「アマゾンの段ボールを寄せ集めて作ってあるから、ちょっと弱いが、
アマゾンの段ボールは無駄に大きいから便利なのだ。
内側全面に液晶モニターとスマホが貼りつけてある。
そこに、グーグルストリートビューを全面表示してあるのだ」
「ハイテクホームレスですか」
「ここから先が違うのだ。わしは過去40年間の全世界のグーグルマップを
外付けハードディスクに保存してきたのだ。だから、好きな時代に行けるのだ。
主人公が40歳若返るドラマを見てから、わしは決心した。
四月からもう一度20歳になって人生をやり直すのだ」
「でも、見た目は60歳の老人ですよ」
「そうなのだ。最近の液晶画面は光沢があるから、夜中に、映った自分の老人の顔に驚くことがある。
だから、考えたのだ。自分が20歳だと錯覚すればいいんだ。
まず、風呂場の鏡を40インチの液晶にして、起動画面を20歳の自分の顔にしておいた。
段ボールで作ったヘッドマウントをかぶって、40年前の風景だけが見えるようにしたのだ。
もうすぐ、前世も来世も見えるようになる予定だ」
八田二郎はそれから2時間ほど、わけのわからない事をしゃべり続け、
そのまま、段ボールハウスに入っていった。
その後、八田二郎の姿を見た者はいないという。
カメと鳥の中間になった、八田二郎は話し始めた。
「やはり、小豆島に移住するのですか」
「いや、バーチャル空間に移住することにした。
見てくれ、あれが、わしが発明した、ホームレスハウスだ。
あの中がバーチャル空間になっていて、
タイムマシンも付いているのだ」
「地下道とかによくある段ボールの家じゃないですか」
「アマゾンの段ボールを寄せ集めて作ってあるから、ちょっと弱いが、
アマゾンの段ボールは無駄に大きいから便利なのだ。
内側全面に液晶モニターとスマホが貼りつけてある。
そこに、グーグルストリートビューを全面表示してあるのだ」
「ハイテクホームレスですか」
「ここから先が違うのだ。わしは過去40年間の全世界のグーグルマップを
外付けハードディスクに保存してきたのだ。だから、好きな時代に行けるのだ。
主人公が40歳若返るドラマを見てから、わしは決心した。
四月からもう一度20歳になって人生をやり直すのだ」
「でも、見た目は60歳の老人ですよ」
「そうなのだ。最近の液晶画面は光沢があるから、夜中に、映った自分の老人の顔に驚くことがある。
だから、考えたのだ。自分が20歳だと錯覚すればいいんだ。
まず、風呂場の鏡を40インチの液晶にして、起動画面を20歳の自分の顔にしておいた。
段ボールで作ったヘッドマウントをかぶって、40年前の風景だけが見えるようにしたのだ。
もうすぐ、前世も来世も見えるようになる予定だ」
八田二郎はそれから2時間ほど、わけのわからない事をしゃべり続け、
そのまま、段ボールハウスに入っていった。
その後、八田二郎の姿を見た者はいないという。