昨日の午後、日本記者クラブ主催によって、菅氏と小沢氏の公開討論会が行われた。会場には、多くのメデイアが参加していた。
席上、メデイア側から、かなり不躾な質問が出され、両氏とも、真剣勝負の様相で答えていた。なによりも、あの傲岸無礼な小沢氏も、記者の代表から問われたことに、比較的丁寧に答えようとしていた。
もちろん、テレビ観戦の私から見れば、追及不足の感がないでもなかった。
面白かった点を2~3点。
① 小沢氏に対し、「選挙で勝ったら、総理大臣になりますか?」という質問が出た。
これなどは通常あり得ない質問なのだが、メデイア側では、代表と総理の分離を疑っているのだ。つまり、代表選に勝利しても、小沢氏は総理大臣にはならず、民主党代表として裏で総理をコントロールするのではないか、という疑いを拭いきれないのだ。
この質問に対し小沢氏は、「議院内閣制なのだから、代表に選ばれれば当然総理大臣になる」と、少し論理的には繋がらない回答をしていた。
この問題に関し、多少不躾な質問が出された。
「小沢さんの体調は、正直なところどのような状態なのですか?」という質問だった。
質問する方も嫌だったと思う。しかし、数日間の雲隠れを幾度も繰り返していた小沢氏だったから、このような質問になったのだ。
「かつて体調を崩していたこともあったが、現在、総理の業務をこなせる体調になっている」という小沢氏の回答だった。
② さらに凄い質問が出された。
「小沢さんが総理大臣になった場合、検察審査会が強制起訴の結論となったら、それを受けますか?」という質問だった。
巷間では、「小沢氏が立候補した裏には、強制起訴を回避するためではないか」とも言われている。
つまり、体調の面で不安がありながら立候補したのは、憲法上の条文適用によって、起訴を免れるためではないかと、囁かれているからなのだ。
これが事実かどうかしらない。しかし、衆人環視の前で、大マスコミの準役員クラスが、このような質問を繰り返したのだ。
通常なら、人権問題にもなりかねない質問だ。しかし、このような質問をぶつけないと、納得できない事象を、メデイアたちは嗅ぎ取っているのだろう。
そのほかにも、幾つかの質問ないしは問題提起がなされた。多くは小沢氏に厳しい内容であったように思う。だが私がその立場に置かれたら、同じような質問をしたに違いない。
小沢氏には気の毒な場面があった。しかし、突き詰めてみれば、メデイアたちは、小沢氏の公私混同を疑っているのだ。
その点から言えば、異例と言えるあの種の質問については、メデイアの立場としてやむをえなかったのだろうと思う。
③ 捩れ国会に対する対応について、両氏に質問があった。
菅氏は、「一つ一つの案件について、丁寧に対応し、場合によっては、野党案を丸飲みしてでも、審議を前に進めるように対応したい」と答えた。ごく常識的な回答だった。
小沢氏は、「当選してからのことを、今は言わない。私はかねてからそのようにしていた」と言って、答えようとしなかった。このような手法が、噂が噂を呼び、虚像を大きく見せるのかもしれない。言外に、政界再編を匂わせた感じだった。
この点に関するメデイアの追及は弱かった。なぜだか分からない。霧の中にあったほうが、今後のメシのタネになるとでも思ったのだろうか。
概して面白い討論会であった。
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