新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

ふるさとは悔いの捨て場所

2015年10月24日 16時59分06秒 | 写真と俳句

 晩秋、故郷の海です。

 この日は穏やかに凪いだ海でしたが、暗い雲が垂れ込めていたせいか、荒れた感じに撮れました。

 私の生れ育った家は、ここから2キロほど離れたところ。

 また、数百メートルほどのところに、詩人野口雨情の生家があります。

 この砂浜には、いろいろな思い出が詰まっています。私にとっては原点の一つです。

 当時、この辺りは遊泳禁止になっていました。浅いように見えて、急に深くなっているのです。

 イシモチ釣りにはよく来ました。滅多に釣れたことはありません。

 釣り人はたくさんおりました。いい仕掛けの竿を持った大人たちです。

 私は竿なしでした。錘をしっかり持ち、引き波を追って行って、沖を目がけて放り投げるのです。

 私のような子供に引っかかるのは、イシモチではなくほとんどフグでした。フグはその場で捨てました。

 昭和20年(1945年)7月、ここの沖合に停泊したアメリカ第七艦隊が、陸に艦砲射撃をしたことがありました。豪雨の深夜でした。

 こんな近くにまでアメリカ艦隊が近づいたのですから、日本が戦争に勝てるはずはありませんでしたね。

 成長してから後、私はこの海から、生きる勇気をたくさん貰ったつもりでいます。

 そしてまた、沢山の悔いを捨てました。ふるさとは悔いの捨て場所でもあるようです。

    悔い捨つるためのふるさと秋深し   ひよどり 一平

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 一目散に菅沼へ | トップ | 寸刻を惜しむは憐れ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

写真と俳句」カテゴリの最新記事