テレビなどでよく大食い競争などが放映されますね。
人それぞれの好き好きですが、やはり食べ物は味わって食べたいものだと
つい思ってしまいます。
こうした大食い競争ではないのですが、なんと58歳にして鮎26匹をぺろり
と平らげた文学者のエピソードを最近知りました。この人、鮎が好きで好き
でたまらなかったようです。それでついつい、26匹も平らげてしまったので
すね。
この文学者、昭和の中頃まで活躍し、文化勲章までもらった獅子文六(演
劇関係では本名の岩田豊雄で活躍)という人で、しかもその折は、胃潰瘍の
手術の半年後だといいますから何ともタフな文学者もいたものですね。
それで、それがなぜ当館や岐阜に関連があるかというと、この文六先生が
それを召し上がったのは岐阜で、しかも長良川の鮎だというのです。
全国に鮎のいる川はごまんとあって、それぞれその味を誇っているのです
が、文六先生は長良川の鮎にとびっきりの花丸をつけてくれたわけです。
何とも痛快なエピソードですが、こんな話を聞くにつれ、長良川の鮎と、
それを取り巻く自然、そして鵜飼に代表される伝統と歴史を守り続けて行か
なければと新たに決意する次第です。
鮎と蕎麦食ふてわが老い養はむ
これは文六先生が自分の好物を詠み込んだ句です。
とてもいい味が出てますねぇ。
え?食べ物だから味が出るのは当然・・・なるほど。
(すっかり文六先生のファンになったホテパクちゃんでした)
*獅子 文六(ししぶんろく、1893年7 月1日 - 1969年12月13日)は、
日本の小説家、劇作家、演出家。本名は、岩田 豊雄。演劇の分野では
本名で活動した。日本芸術院会員、文化勲章受章。