啓蟄は二十四節気のひとつです。二十四節気は季節の移り変わりを知るためのもので、約15日間ごとに24に分けられています。啓蟄は毎年3月6日頃~3月20日頃にあたりますが、日付が固定されているわけではありません。二十四節気は1年を太陽の動きに合わせて24等分して決められるので、1日程度前後することがあるからです。
2020年の啓蟄は、3月5日から3月20日です。
なお、啓蟄といっても、啓蟄(二十四節気の第3)から春分(二十四節気の第4)までの期間をさす場合と、「今日は啓蟄です」のように啓蟄に入る日をさす場合があります。
啓蟄の読み方、意味は?
啓蟄は「けいちつ」と読みます。啓蟄とは、「冬ごもりをしていた虫たちが土の中から出てくる頃」という意味で、春の気配を感じて、冬ごもりをしていた虫たちが活動を開始する頃を表しています。啓には「開く」「開放する」などの意味があり、蟄には「虫などが土の中に隠れて閉じこもる」という意味があります。虫という漢字はもともと蝮をあらわす象形文字で、昔は昆虫に限らず、蛇や蜥蜴、蛙なども虫と呼ばれていました。たしかに、漢字が虫偏になっていますね。
「けいちつ」という言葉の響きや意味が印象的ということもあり、啓蟄は春の季語としても人気です。
「蛙」が虫偏なのは、昔はカエルも虫と呼ばれていたからです
●白露前後の二十四節気の移り変わり
雨水 → 啓蟄 → 春分
啓蟄の初侯・次侯・末侯
二十四節気をさらに3つに分けた七十二侯は、啓蟄の間にこのように移り変わります。■初侯:蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)3月5日頃
啓蟄を詳しく表したもので、冬ごもりをしていた虫たちが戸を開いて顔を出したような表現です。虫に限らず、様々な生き物が目覚める頃です。
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■次侯:桃始笑(ももはじめてさく)3月10日頃
桃の蕾がほころび、花が咲き始める頃。昔は花が咲くことを「笑う」「笑む」と表現していました。花も人も笑うと周囲が明るくなって良いですね。