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柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺 子規
「古池や蛙飛び込む水の音 芭蕉」と並ぶあまりにも有名な句です。
従って日本人の殆どの人が知っていてかつ口遊む句であるといっても過言ではありません。
前回の拙稿「富有柿」に寄せられたコメントにより北海道の柿の様子を知ることが出来ましたが、柿は古くから日本の秋を代表する果物で、その味覚を賞するばかりでなく、文学の世界にも広く取り上げられています。
俳句を例にとってみると、単に食べることだけに止まらず柿の一生が「季語」となっており、その愛され方の深さが分ります。
思いつくだけでも「柿若葉」、「柿の花」、「青柿」、「甘柿」、「渋柿」、「富有柿」、「柿渋取る」、「柿干す」、「柿簾」、「柿紅葉」、「木守柿」、「柿落葉」とあってその時々の状景が目に浮かびます。
先日の句会に「山里の晴るるや柿は熟るるまま」を出しましたが評価はイマイチでした。
しかし今月発売の「NHK俳句・12月号」には珍しく2句が採られました。
夜勤明霧の中なる我家の灯 池田澄子選
御嶽に噴煙のなし秋の空 小澤 實選