1月11日
日経平均 2万0359.70円(+195.90円)
TOPIX 1529.73(+7.72)
出来高 12億9595万株
長期金利(新発10年国債) 0.010%(-0.010)
1ドル=108.33円(0.41円安)
1月7日 2万0038円 14億2427万株 2兆4634億円
1月8日 2万0204円 15億5257万株 2兆6752億円
1月9日 2万0427円 13億0751万株 2兆3104億円
1月10日 2万0163円 13億0892万株 2兆2968億円
1月11日 2万0359円 12億9595万株 2兆5029億円
■株探ニュース
今週の【早わかり株式市況】6週ぶり急反発・2万円回復、パウエルFRB議長発言で投資家心理改善
□今週の相場ポイント
1.日経平均は6週ぶりに急反発、2万円大台回復
2.良好な米雇用統計とパウエルFRB議長発言で投資家心理が急改善
3.米株高を受け日経平均は大きく切り返す
4.米中貿易摩擦の緩和期待や円高一服も上昇を後押し
5.世界景気の減速懸念が底流にあり上値重い
□週間 市場概況
今週の株式市場は、日経平均株価が前週末比797円(4.08%)高の2万0359円と6週ぶりに急反発し、2万円大台を回復して取引を終えた。
良好な米雇用統計で米景気の減速懸念が後退したうえ、米連邦公開市場委員会(FRB)のパウエル議長が金融引き締めに慎重姿勢を示したこと受け、投資家心理が大きく改善して米株市場が急反発した。
これを受け、日経平均も大きく切り返した。昨年12月にFRBによる利上げ継続方針が嫌気され米株が急落した経緯がある。
また、米中貿易協議が進展したとの観測で貿易摩擦の緩和が期待されたほか、為替の円高一服も上昇相場を後押しする格好となった。
ただ、中国をはじめとする世界景気の減速懸念が底流にあるだけに週後半は伸び悩んだ。
□来週のポイント
今週後半は上値が重かっただけに、来週は海外の重要イベントをにらみ2万円台固めのもみ合う展開になりそうだ。
1月7日(月) 急反発、米株高に追随し2万円大台を回復
日経平均 20038.97(+477.01) 売買高14億2427万株 売買代金2兆4634億円
1月9日(水) 3日続伸、米株高に加えアジア株上昇で買い継続
日経平均 20427.06(+223.02) 売買高13億0751万株 売買代金2兆3104億円
1月10日(木) 4日ぶり反落、米株高も円高進行で利益確定売り
日経平均 20163.80(-263.26) 売買高13億0892万株 売買代金2兆2968億円
■モーニングスター
株式週間展望=日本株、耐性強まる―悪材料でアク抜け、市場心理好転映す、対米株出遅れ意識
日本株が悪材料への耐性を強めつつある。
11日は、世界経済に敏感な安川電機が前日発表した収益見通しの下方修正に加え、ファーストリテイリングの減益決算の全体相場への影響が懸念されたものの、日経平均株価は一時前日比226円高と反発した。
景気悪化を先取りしてきたことで、アク抜けムードが広がり始めた。
米国株に対する戻りの出遅れ感が大きいだけに、来週(15~18日)は堅調な動きも期待される。
内外需を占う上で重要な両社の苦戦は、日本株全体の売り材料になってもおかしくない。
だが、こうした事態は、既に予見されていた。
現実となったことで、市場では買い戻しの動きが加速。
両社の株価もこの日は値上がりした。
日経平均は2万359円で今週(7~11日)の取引を終え、ひとまず2万円の大台で下値を固める体勢に入った。
低水準の騰落レシオなどから下値不安は薄いとの見方が多く、日足一目均衡表も転換線を上抜き下落基調を脱した。
米中対立の構図は残る。
ただ、貿易摩擦に関して株式市場は軟着陸への意識を高めつつあり、VIX(恐怖)指数も直近で警戒水域の20ポイントを下回ってきた。
一方、一抹の不安が英国のEU(欧州連合)離脱問題だ。
英議会では、18年12月の実施が延期されていたEU離脱案の議会採決が15日に行われる。
可決のメドが現状はない。
否決が即座に合意なき離脱を意味するわけではないものの、これをきっかけに円高が進行すると日本株には逆風。
もっとも、市場の心理状態を踏まえると、英国リスクを過度に気にする必要はないだろう。
来週の日経平均の想定レンジは1万9800~2万800円とする。
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朝日新聞 2019.1.8
東証、2万円台回復
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7日の東京株式市場で日経平均株価は3営業日ぶりに値上がりした。
「アップル・ショツク」による世界経済減速の懸念がいったん和らぎ、昨年12月28日の大納会以来、2営業日ぶりに2万円台を回復した。
ただ東京外国為替市場では円高傾向が続き、株価が回復に向かうかは見通せない。
日経平均の終値は前週末より477円01銭(2.44%)高い2万0038円97銭。
前週末に堅調な米国の雇用統計が公表され、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が利上げペースを緩めることを示唆したことから、米国の株価が上昇。
週明けの東京市場もその流れを引き継いだ。
米中の通商協議への期待感も出た。
上げ幅は午前中に一時700円を超えた。
中国・上海や台湾などアジアの株価指数も上昇した。
ただ円相場は1ドル=108円台前半の円高ドル安傾向が続いている。
景気の先行きが不透明で安定的な資産の円を買う動きが根強く、米国の利上げペースが鈍ればドルが買われにくいためだ。
昨年末の12月28日と比べて2円程度も円高ドル安となっている。
SMBC日興証券の太田千尋氏は「為替が円安に戻らなければ、輸出企業などの業績を通じて日本株には先々、重たさが出てくる」と指摘する。 (和気真也)
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朝日新聞 2019.1.9
世界10大リスク/「米欧混迷」1位
米コンサルが19年版
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米コンサルティング会社ユーラシアグループは7日、2019年の「世界の10大リスク」を発表した。
米国で民主主義が揺らいでいることや、欧州でのポピュリスム(大衆迎合)政治の広がり、同盟関係の弱体化など世界中の地政学的事象のほとんどが「悪い方向に向かっている」と指摘。
この状況を「悪い種(予兆)」と名付けて1位に挙げた。
2位は対立が深まる「米中関係」とした。
同社は米国際政治学者のイアン・ブレマー氏が社長を務め、毎年初めに、その年の世界政治や経済に深刻な影響を及ぼしそうな事象を予測している。
19年は国際経済が好調で「比較的いい年になる」と分析。
一方、ただちに起こる可能性は低いものの、深刻な危機に発展しかねないリスクは、1998年の同社立ち上げ以来で最悪の水準に達しているとした。
ブレマー氏は発表会見で「大規模テロや金融危機などの危機に各国が結束する状況ではなくなった」と話した。
1位の「悪い種」の一つに挙げた同盟関係の弱体化については、「アジアでは米欧ほど影響はなく、日米同盟は強固」と指摘した。 (ワシントン)
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朝日新聞 2019.1.12
経済気象台/投機が振り回す株価
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昨秋から年末にかけて株価が急落した。
10月2日は2万4270円の高値だった日経平均は12月中旬に下げ足を速め、節目の2万円を割り込んだ。
12月25日は1万9155円となり、10月2日からの下落率は2割を超えた。
この急落は何を意味するのか。
引き金を引いたのは米国株だ。
10月以降、2万5千ドルを挟んだ値動きだった米ダウエ業株平均は12月に入り急落。
同月3日から24日までの短期間で15%を超える下落となった。
米中景気の減速懸念、貿易紛争の影響、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めなどが重なったことが背景らしい。
もっともらしい材料ではある。
株価は経済の鏡ともいうし、政策当局へ適切な対応を促す市場からのメッセージと受け止めるべきだということもわかる。
ただ12月の値動きは行き過ぎではないか。
経済指標はそこまで悪くなっていないからだ。
今回の下落は、投機筋のアルゴリズム取引が影響した可能性がある。
プログラムにあらかじめ特定のキーワードを埋め込み、ニュースでそのキーワードが出たら即座に売買をしかける取引のことだ。
12月3日には、米国の2年金利が5年金利を上回ったことを受けて景気後退への懸念が強まり、翌4日に株価が急落した。
ただ2年金利が5年金利を上回っても、景気後退になるまでは1年半から2年かかるのが経験則だ。
そんなことなど考えないアルゴリズム取引が反応したとしか思えない。
こうした投資手法が相場を大きく動かしているとすれば、実体経済と株価の乖離が激しいのも当然だ。
真面目に理屈を考える投資家が馬鹿をみたり、当局の政策が間違ったりしないか心配になる。 (顕伸)