今週の読書！ 失踪／報復／

　今週は、この２冊。
　失踪／報復／

■『失踪／ドン・ウィンズロウ』 　　2016.3.26

　ドン・ウィンズロウの『失踪』を読みました。
女性を拉致、監禁する物語はこれまでも何冊か読んだことがありますが、今回はどんな展開になるのかと興味津々。
久々にハードボイルドの雰囲気も堪能できました。
面白い話です。

　何ら不足なく、たまにはぜいたくも叶えられて育った。ただし、手に入れた物は大切にしなさい、としつけられた。手に入らないものは忘れなさい、とも……

　しかし、私は自分の道を知っている。

　人生の荒波は誰にも厳しい。

　長い夏が終わらない。暑さの残滓が、古い恨みのようにコンクリートにへばりついている。

　行方不明になったその種の愛は、もう誰にも見つけ出せはしない。

　　『　失踪／ドン・ウィンズロウ／中山宥訳／角川文庫　』



■『報復／ドン・ウィンズロウ』　　2016.3.26

　この小説もドン・ウィンズロウの作品です。
今週は、ウィンズロウ一色になった感があります。
愛するものを奪ったテロリストに報復する物語です。
物語のなかで、報復と復讐の違いが説明されている部分もあったような気がしますが、とにかく自らの手で落とし前をつける話です。
それにしても報復ですね。
復讐というと個人的なもめごとの始末をつけるという感じをぼくは受けるのですが、これは将に戦争です。
だから『報復』なのでしょうか。

　要はね、世の中には善人と悪人がいて、わたしは自分たちが善人だといまでも信じているの。気取った言い方になったけれど、"あいつを叩きのめして、ディヴィッド"という意味よ

　特殊部隊員はクォーターバックやゴールキーパー同様、失敗を早く忘れなければならない。
失敗から学び、前へ進め。

　　『　報復／ドン・ウィンズロウ／青木創・国弘喜美代訳／角川文庫／　』