処刑台広場の女／マーティン・エドワーズ

■処刑台広場の女　2023.11.20

マーティン・エドワーズ作『処刑台広場の女』を読みました。
クラリオン紙の記者ジェイコブ・フリントとともにひたすらp579翻弄され続ける斑模様に面白いミステリでした。
登場人物たちの多さは、この歳になると少々しんどいです。

　「彼は火遊びが好きなの。それを言えば、わたしもそう」
　「危険があるからこそ」彼女は静かに言った。「人生は生きるに値する」

　「そうだ」編集長は困ったように首を振った。「運というものはかならず尽きる。幸運が悪運に転じないように気をつけたまえ」

　ジェイコブは新聞をたたみ、不思議そうにしている売り子に返した。競合紙を持ち歩いているときに知人にばったり出くわすと恥ずかしい。
　マーチモント・ストリートの店のカウンターの下にしまわれている、いかがわしフランスの絵葉書のセットを持ち歩いているところを見られるよりはましだが。

　　　　『　処刑台広場の女／マーティン・エドワーズ／加賀山卓朗訳／ハヤカワ・ミステリ文庫　』