ゆめ未来     

遊びをせんとや生れけむ....
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しなやかに、のびやかに毎日を過ごそう。

裸の華/パリの骨/

2016年09月24日 | もう一冊読んでみた
 今週は、この2冊。
 裸の華/パリの骨/

裸の華/桜木紫乃  2016.9.24

桜木紫乃さんの、『裸の華』を読みました。
登場人物は、誰もが皆、やさしく、気持ちに素直な人ばかりです。
職場も世の中も、このような人ばかりで溢れかえっていれば、皆さん幸せになれるのにと感じます。
しかし、ひとたび風吹けば、それぞれが、風に押されて、明日の人生に踏み出して行かねばなりません、さようならだけが人生です。
そこには、悲しい別れが控えています。
死別もそのひとつです。

JINこと、竜崎甚五郎が魅力的に描かれています。
「銀座の宝石」と言われた実力に裏打ちされた落ち着きでしょうか。

 ----いいかいノリカ。身持ちが堅い人間じゃないと、この仕事長くは続けられない。みんなみんな金と男で駄目になっていくんだ。あとは体を壊すか怪我をするか。どんなにさびしくとも、男にぜんぶ預けちゃいけないよ。

 「夢の続き」を見る。
 泳ぎ続けていれば必ずたどり着くの。

 「だいじょうぶ。みんな前に進んでいる。瑞穂がどんどん幸福に向かっているように、風って逆らわずにいると、いつかはいい場所へ着地させてくれる気がするの」


ブログのアクセス数を気にするとき、ぼくもドッキリ、感じますなあ。

 固定客がいないと広がらないのは、どこの世界も同じです。

 『 裸の華/桜木紫乃/集英社 』



パリの骨/桜木紫乃  2016.9.24

芸術運動としてのシュルレアリスムのはじまりは、シュルレアリスム宣言が発せられた1924年である。

時は1929年、シュルレアリスム運動華やかなりし頃、舞台は、花の都パリ。
怪しげな芸術家、後に名をなす偉大な芸術家がひしめき合い、昼となく、夜となく酒に酔い、人生に迷い、乱闘に明け暮れ、芸術論を闘わせていた頃の1929年9月10日から9月24日のお話。

よく知った芸術家は、出てくるし、パリの名所、モンマルトル、マレ、サンルイ・・・・・・は巡るで、楽しめたし飽きない、が、少々重い。
文章も悪くはない。
でも、ぼくには重たかった、その原因を探ってみる。
事件のテンポ良い進展や適当な話の長さ(p561、この話しでは少々冗長か?)に欠ける感じ、これかも知れない。

マドモワゼル、わたしは長く変化に富んだ人生から教えられたのです。重要な判断はつねに思慮のない者たちが偶然と呼ぶものにあると。"偶然"は贈り物です。宇宙のからくりにそのような贈り物を授かったなら、見過ごしてはなりません。

 「舞台ならある種の役柄には向いていた、自分の・・・・・・露出症的傾向を押しだせる役になら。しかし彼女が決して成功しないだろうとわたしにはわかりました。フィリパはひけらかすために舞台に立つ。本物の女優は観客を引きこむために彼らの前に立つのです


 『 パリの骨/桜木紫乃/山田久美子訳/創元推理文庫 』


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