■扇動者/ジェフリー・ディーヴァー 2017.3.20
しかし、一番恐ろしかったのは何だと思う? 集団になると、人は別の生き物に変わる。
人間ではなくなる
『2017年版 このミステリーがすごい』 海外編第10位 『扇動者』 を読みました。
ぼくの評価は、まあまあのミステリーでした。
嘘つきの三つのタイプが述べられていた。
「嘘をつく人間のタイプの一つ。"ハイ・マキャヴェリアン"は、そのうちもっとも冷酷で、そうね、"調子がいい"人たち」
「嘘をついて人をだますのを楽しむタイプ。嘘をつくことに良心のとがめは感じない。不道徳な行為という認識さえない。彼らにとって、嘘はスマートフォンや検索エンジンと同じ。ほしいものを手に入れるためのツールにすぎない。恋愛であれ、仕事や政治的な駆け引きであれ----犯罪であれ」
"社会的な嘘つき"は人を楽しませるために、"受動的な嘘つき"は他人に良い印象を与えようとして、嘘をつく。
"俳優"と呼ばれるタイプの目的は他人を支配することだ。
人生は、「気持ちを少し楽にしてあげること」が、自分にとっても相手にとっても大切なことです。
「私はそう考えることにしている。島。満ち足りてた日々を象徴する島。失ったもののことは考えない。いまは世界が海の底に沈んでしまっているようなものよ。まるごと海の底に沈んでしまってる。でもね、水位は少しずつ下がっていって、いつか島が顔を出すわ。水が完全になくなることは決してないだろうけど、乾いた陸地はまた見つかる。そう考えたら、私は少し気持ちが楽になった。」
のんびり生きよ、ひとりの人間の評価なんて、死ぬまで分からないのだから。
たった一日だけを見て一人の人間を評価することはできない。生まれて死ぬまでのすべてに目をこらし、そこに傾向を見いだして初めて、その人物の本質が浮かび上がる。歳月による均質化。
悪魔が、そっと扉を叩く!
人生とはそういうものでないか。できれば避けたい話、耳を貸したくない話……そういう話にかぎって向こうから勝手に押しかけてくる。しかも最悪のタイミングを選んで。
以上、『扇動者』からひろった人生論でした。
『扇動者/ジェフリー・ディーヴァー/池田真紀子訳/文藝春秋 』
しかし、一番恐ろしかったのは何だと思う? 集団になると、人は別の生き物に変わる。
人間ではなくなる
『2017年版 このミステリーがすごい』 海外編第10位 『扇動者』 を読みました。
ぼくの評価は、まあまあのミステリーでした。
嘘つきの三つのタイプが述べられていた。
「嘘をつく人間のタイプの一つ。"ハイ・マキャヴェリアン"は、そのうちもっとも冷酷で、そうね、"調子がいい"人たち」
「嘘をついて人をだますのを楽しむタイプ。嘘をつくことに良心のとがめは感じない。不道徳な行為という認識さえない。彼らにとって、嘘はスマートフォンや検索エンジンと同じ。ほしいものを手に入れるためのツールにすぎない。恋愛であれ、仕事や政治的な駆け引きであれ----犯罪であれ」
"社会的な嘘つき"は人を楽しませるために、"受動的な嘘つき"は他人に良い印象を与えようとして、嘘をつく。
"俳優"と呼ばれるタイプの目的は他人を支配することだ。
人生は、「気持ちを少し楽にしてあげること」が、自分にとっても相手にとっても大切なことです。
「私はそう考えることにしている。島。満ち足りてた日々を象徴する島。失ったもののことは考えない。いまは世界が海の底に沈んでしまっているようなものよ。まるごと海の底に沈んでしまってる。でもね、水位は少しずつ下がっていって、いつか島が顔を出すわ。水が完全になくなることは決してないだろうけど、乾いた陸地はまた見つかる。そう考えたら、私は少し気持ちが楽になった。」
のんびり生きよ、ひとりの人間の評価なんて、死ぬまで分からないのだから。
たった一日だけを見て一人の人間を評価することはできない。生まれて死ぬまでのすべてに目をこらし、そこに傾向を見いだして初めて、その人物の本質が浮かび上がる。歳月による均質化。
悪魔が、そっと扉を叩く!
人生とはそういうものでないか。できれば避けたい話、耳を貸したくない話……そういう話にかぎって向こうから勝手に押しかけてくる。しかも最悪のタイミングを選んで。
以上、『扇動者』からひろった人生論でした。
『扇動者/ジェフリー・ディーヴァー/池田真紀子訳/文藝春秋 』
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