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ウィンター家の少女/ミレニアム4(上・下)

2016年06月11日 | もう一冊読んでみた
 今週は、この2冊。
 ウィンター家の少女/ミレニアム4(上・下)

ウィンター家の少女/キャロル・オコンネル  2016.6.11

ウィンター家の少女』を読みました。

 「あの検事は前言を翻したわけだ」
 「なあ、ここだけの話だぞ」
 「マロリーは自供書を検事のデスクにアイスピックで串刺しにしたんだ」
 歴史ネタをひとつ付け加えた。
 「そのアイスピックは、ウィンター邸大虐殺で使われた実物だ」
 「検事殿への贈り物さ」
 急に気を変えて(臆病者の直感だ)、ブキャナン検事は自供書を受理した。
彼は由緒あるかの教え----イカレた警官を敵に回してはならない----に従うことにしたわけだ。
おまけに、あの小男はパンツを漏らし、それによってその室内であったことは一切外に漏れないという追加の保証が得られた。


このような分かりやすい話でP481続けば読みやすいのですが、ぼくの頭は、時々、迷走してしまった。

 「昼寝は世界一過小評価されている娯楽なんです」

 『 ウィンター家の少女/キャロル・オコンネル/務台夏子訳/創元推理文庫 』



ミレニアム4(上)蜘蛛の巣を払う女/ダヴィド・ラーゲルクランツ  2016.6.11

 (2016.5.21)
 ミレニアム1~3とは、物語の展開の仕方や登場人物の雰囲気が、少し違う感じがしないでもありませんが、これはこれで大変面白かった。

 「訳者あとがき」からの情報。

 『ミレニアム』第一~三部は早川書房から単行本で刊行されて大きな反響を巻き起こした。
著者のスティーグ・ラーソンは『ミレニアム』を十部作にするつもりで、すでに第五部までストーリー考えていたようだが、残念にも心臓発作で急死してしまった。
2014年12月、三部作の版元であるスウェーデンのノーシュテッツ社は、ラーソンの遺稿とは関係なく、まったく新しい手による『ミレニアム』第四部を刊行すると発表した。
新たな著者として白羽の矢が立ったのはダヴィド・ラーゲルランツで、前作を引き継ぐ形をとりながらも第四部が独自に創作されることになった。
ノーシュテッツ社は、同じ著者で二〇一七年に第五部を、二〇一九年に第六部を刊行することに決めている。


『ミレニアム』をこの先も、まだまだ楽しめそうです。

 暴力は、畏怖の念を呼び覚ますことができる。黙らせ、怖がらせ、リスクや脅威を遠ざけることができる。だが同時に暴力は、混乱を生んだり、望まぬ結果を連鎖的にもたらしたりもする。

暴力では、何事も根本的な解決には至らない、このことは歴史が証明している事実だとぼくは、信じています。
暴力は、暴力の連鎖を生むばかりです。

ミレニアム4(下) 蜘蛛の巣を払う女/ダヴィド・ラーゲルクランツ  2016.6.11

 今週は、極めて個性的な二人の女性が活躍するミステリを読んだ。
ふたりとは、キャロル・オコンネルが生み出した、ニューヨーク市警の女性警察官キャシー・マロリーとスティーグ・ラーソンが生み出した、背中にドラゴンのタトゥーを入れた小柄な女性、リスベット・サランデルです。
どちらもお会いしたいような女性ではない。
どちらも過酷な少女時代を過ごしている。
詳しくは、作品で。

ラーゲルクランツの『ミレニアム4(下)/蜘蛛の巣を払う女』、やはりスティーグ・ラーソンの『ミレニアム』とは雰囲気が違う気がしました。
ぼくは、どちらかというとラーゲルクランツの話の方が好みです。
今回の話では、殺し屋ヤン・ホルツェルの最期と警察官ヤン・ブブランスキーの人物描写が気に入りました。
いずれにしろ、面白いことは間違いありません。

 優秀でありたい、意欲的でありたい、上司に認めてもらいたいという思いは、二人に共通している。もちろん、一概に良いこととはいえない。そういう人間は、職場の文化が不健全だと、それに引きずられて同じように不健全になってしまうことがある。ひょっとすると、悪や強欲のはびこる環境で他人に気に入られたいと考えることこそが、犯罪やモラルの逸脱に走らせる大きな原因のひとつなのかもしれない。

 『 ミレニアム4(上・下)/蜘蛛の巣を払う女/ダヴィド・ラーゲルクランツ/ヘレンハルメ美穂 羽根由訳/早川書房 』

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