■孤島の鬼/江戸川乱歩 2017.11.21
『ミステリ国の人々』(有栖川有栖)紹介の古典、その11は、江戸川乱歩作 『孤島の鬼』 です。
『ミステリ国の人々』の紹介文。
ミステリ国の名探偵たちには、洋の東西を問わず独り者が多い。シヤーロックーホームズのように親友が結婚しても祝福しない独身主義者もいれば、神津恭介のように「運命だよ、運命」とはぐらかす者もいる。
往年の名探偵たちは異性を近づけなかった。近年になると様子が変わるが、離婚していたり恋人がいても結婚に至らなかったりしがちだ。
どうしてミステリ作家は彼ら・彼女らに配偶者を与えたがらないのか? おそらく、探偵に生活感がまとわりつくのを避けているのだろう。孤高でいる方がヒロイックに描きやすい、という事情もありそうだ。探偵は誰よりもミステリアスであってほしい、という希望を読者は持つから。
朝日新聞 2017.10.1 「 悩んで読むか、読んで悩むか」 は、「友人を見てみじめな気持ちになる」という相談でした。
回答者の種村弘さんが、「あらゆる比較を絶するような、特別な物語があります。」として、紹介されたのが、江戸川乱歩著 『孤島の鬼』 でした。
穂村さんは、悩みの回答の中で、「孤島の鬼」を勧める理由を、次のように述べています。
平凡な主人公が恋人を殺される事件に巻き込まれる。
それからは特異な体験の連続に巻き込まれます。
無茶苦茶に翻弄されまくる主人公の姿を見ているうちに、不思議なことに腹の底から捨て身の活力が沸いてくるようです。
どんなに暗黒の世界を描いていても、その底に乱歩特有のたまらなく無垢な心が流れているんです。
私は、世界がこんなとんでもない場所ならどう生きても自由だ、という勇気のような気持ちを抱きました。
早速、 『孤島の鬼』 を読んでみました。
穂村氏には、申し訳ないのですが、「友人を見てみじめな気持ちになる」という相談に、何故、この小説を紹介したのか、ぼくにはよく理解できませんでした。
私は当時の経験から、どんな冒険でも、困難でも、実際ぶつかってみると、そんなでもない、想像している方がずっと恐ろしいのだ、ということを悟った。
『 孤島の鬼/江戸川乱歩/創元推理文庫 』
もう、一冊。
『このミス』が選ぶ!
オールタイム・ベスト短編ミステリー 赤
第5位 押絵と旅する男(江戸川乱歩)
が、入っています。面白い短編でした。
『ミステリ国の人々』(有栖川有栖)紹介の古典、その11は、江戸川乱歩作 『孤島の鬼』 です。
『ミステリ国の人々』の紹介文。
ミステリ国の名探偵たちには、洋の東西を問わず独り者が多い。シヤーロックーホームズのように親友が結婚しても祝福しない独身主義者もいれば、神津恭介のように「運命だよ、運命」とはぐらかす者もいる。
往年の名探偵たちは異性を近づけなかった。近年になると様子が変わるが、離婚していたり恋人がいても結婚に至らなかったりしがちだ。
どうしてミステリ作家は彼ら・彼女らに配偶者を与えたがらないのか? おそらく、探偵に生活感がまとわりつくのを避けているのだろう。孤高でいる方がヒロイックに描きやすい、という事情もありそうだ。探偵は誰よりもミステリアスであってほしい、という希望を読者は持つから。
朝日新聞 2017.10.1 「 悩んで読むか、読んで悩むか」 は、「友人を見てみじめな気持ちになる」という相談でした。
回答者の種村弘さんが、「あらゆる比較を絶するような、特別な物語があります。」として、紹介されたのが、江戸川乱歩著 『孤島の鬼』 でした。
穂村さんは、悩みの回答の中で、「孤島の鬼」を勧める理由を、次のように述べています。
平凡な主人公が恋人を殺される事件に巻き込まれる。
それからは特異な体験の連続に巻き込まれます。
無茶苦茶に翻弄されまくる主人公の姿を見ているうちに、不思議なことに腹の底から捨て身の活力が沸いてくるようです。
どんなに暗黒の世界を描いていても、その底に乱歩特有のたまらなく無垢な心が流れているんです。
私は、世界がこんなとんでもない場所ならどう生きても自由だ、という勇気のような気持ちを抱きました。
早速、 『孤島の鬼』 を読んでみました。
穂村氏には、申し訳ないのですが、「友人を見てみじめな気持ちになる」という相談に、何故、この小説を紹介したのか、ぼくにはよく理解できませんでした。
私は当時の経験から、どんな冒険でも、困難でも、実際ぶつかってみると、そんなでもない、想像している方がずっと恐ろしいのだ、ということを悟った。
『 孤島の鬼/江戸川乱歩/創元推理文庫 』
もう、一冊。
『このミス』が選ぶ!
オールタイム・ベスト短編ミステリー 赤
第5位 押絵と旅する男(江戸川乱歩)
が、入っています。面白い短編でした。