くらのうえ市丸歯科ブログ

お口の健康を守りたい

Europerio8(第8回欧州歯周病学会)に参加し,インプラント周囲炎の治療法について発表しました.

2015年06月15日 | 外部セミナー

2015年6月3-6日にロンドンで行われた,Europerio8(第8回欧州歯周病学会)に参加し,発表しました.

          

Europerio は3年に一度行われる,欧州歯周病学会の学術大会です.歯周病やインプラント治療が主なテーマになります.今回,1万人以上の参加者が集まったそうです.大きな学会ですね.また,約1600演題の申し込みがあり,審査の結果,約1200演題が選ばれました.私どもも幸い,この中に入ることができました.日本の開業医で発表できたのは,一握りだと思います.もしかしたら,当院だけかもしれません.今回発表できたことは,大変名誉なことだと思います.

内容は,インプラント周囲炎についてです.インプラント周囲炎はいったん発症すると,なかなか治りにくい疾患です.また,発症すると,外科処置が必要だといわれています.外科処置を行わないで治す手段について,発表しました.

 電子ポスター方式で,内容をスクリーンに出して発表,ディスカッションする形式です.一連のことは,英語で行います.

  

 当院と九州大学との共同発表で,古谷野潔教授にご指導を仰ぎながら,準備しました.国際学会での発表は,何回か経験がありますが,ご指導のおかげで基本に立ち返り,いいポスターができたと思います.

 ポスター発表ですので,大勢による活発なディスカッションとはいきませんでしたが,イギリスの方から,レベルの高い治療をしているとお褒めを頂きました.また,数人の先生から,インプラント周囲炎について大変勉強になったとコメントを頂きました.

 また,講演や他の研究グループの発表も積極的に聴いてきました.今回は,インプラント周囲炎,プラークコントロール,抗菌剤による治療,骨造成について焦点を絞り世界の最先端の情報を入手してきました.また,論文等を通して日頃から,疑問に思っていることを,Salvi教授,Urban 教授,McGuire教授らの超一流と言われている先生方に直接質問し,解決することができました.

    

 

今回のEuroperio8に参加して,いくつか強く思うことがありました.一つは,超一流と言われている先生たちから,学ぶことの大切さです.当院は国際的に一流の治療と予防を提供することを患者様にお約束しています.そのために,まだまだ,学び続ける必要性を強く感じました.一つは,当院が情報発信をしていくことが大切であることです.今回みたいに,積極的に発表することにより,ディスカッションをして,益々当院のレベルを上げていきたいと思います.

 もう一つは,日本人の口腔内の状態が非常に劣悪であることです.国際学会に出席するといつもそう感じます.このままでは,日本の歯科治療は世界の笑いものになってしまいます.その理由は,日本の歯科医療の保険制度を中心とするシステムが劣悪だからです.日本の保険制度が,削る,詰める,抜歯する,入れ歯を入れることを中心とし,予防処置を認めていないこと.診療コストがあまりにも低く見積もられているため,不十分な治療しかできないことが理由です.日本の歯科医療の保険医療システムを改善する必要性を,関係方面に何とか訴えていきたいものです.

 鳥栖市やその周辺地域の皆様の口腔健康を国際レベルに引き上げるのは,当院に与えられた使命だと思いっています.それを実現するために,くらのうえ市丸歯科スタッフ一同で身を粉にして頑張りたいと思います.

 今回の研修で,当院を留守にして,皆様には大変ご不便をおかけいたしました.このような学術活動に対して,いつも暖かい声援を送ってくれる患者様とスタッフに深く感謝いたします.必ずやご来院の皆様の口腔健康を一流の治療と予防で,国際的なレベルまで引き上げます.“一生自分の歯で食べる”を一人でも多くの方々に実現できるようにいたします.そのことが,皆様への恩返しだと考えています.

 

(医)くらのうえ市丸歯科 新鳥栖インプラント・歯周病センター(佐賀県鳥栖市)

       院長 市丸英二    TEL:0942-81-5410