遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

カビと酵母

2009-03-23 21:48:40 | 読書
専門書ですが、ちょっと読み物風なコーナーもあります。大学時代にお世話になった先生が執筆しているし、講義用のネタ本にもなりそうと思って買いました。大嶋先生(著者として名前を連ねているので実名にします)は、出芽酵母の性変換機構を遺伝学によって明らかにしたプロセスを事細かにこれでもかって感じで書いています。プロの遺伝学者でも難解なので学生さんにはムリ!(笑) 古典的遺伝学は『数学』なので(どっちかというと幾何学に近いな)、生物学を志す人にはとても敷居が高いのですよ。
他の執筆者の先生方は主に分類学方面の方々なので、興味深いお話がいっぱいありました。専門外の話ってかえって面白いもんですよね。ジャワの蒸留酒チウを醸す酵母が分裂酵母だった話は、すごく劇的で興味深かったですな。研究者にとって、別に期待してもいなかった仕事から思わぬ発見が得られた時の喜びは計り知れないものがあります。今でも分裂酵母は世界で三種しか見つかってないんですよ。
この本で気になったのは日本の糠漬けの乳酸菌のお話。糠漬けで分離される乳酸菌はヘミセルロースが主となっている基質で増殖するもので、牛乳に含まれるラクトースを資化することができないというものだ。しかし、僕の『池ママ・ヨーグルト』は牛乳で増える。鰊の糠漬けから分離したにもかかわらずだ。もちろんこの鰊の糠漬けはチーズのような風味があって、ヨーグルトにできると思って菌の分離を試みたんだ。そもそも植物性の素材ではないので池田むかうさんのぬか床では一般的なお漬物とは別の乳酸菌が住み着いていたのかな? そこら辺はよく分かりませんが、とりあえずカスピ海ヨーグルトの菌のコンタミではないことに関しては自信があります。

WBC 日本代表、あす韓国と決勝 米国に逆転勝ち(産経新聞) - goo ニュース
素晴らしい試合でしたね。原監督の采配にはイマイチぱっとしたものを感じませんでしたが、ダルビッシュをクローザーにして彼のプライドを守りながら藤川投手を一日休ませた今日の投手起用で良い評価を与えていいと思うようになりました。また、彼の試合後のコメントは対戦チームに対する敬意や開催国に対する感謝が感じられるのでヨシとします。国際試合ではまっとうな先進国として大切な要素だと思います。総じて北京オリンピックで采配をとった人よりもずっと優れていると思います。米国代表の監督も見苦しい言い訳をしませんでした。彼も与えられた条件の元で、できるだけのことをやったのでしょう。
あるニュース番組へ、試合の後マウンドに日の丸と太極旗を両方立てて欲しいと小学生の女の子から投書があったそうです。あの不作法な国の連中にその少女の想いが伝わるとは思えないのが残念ですな。

本日のお酒:SUNTORY MALT'S GREEN AROMA + 佐賀芋焼酎 魔界への誘い
コメント (2)
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