今はもうどうなって居るのか解らないが、むかし徳川生物学研究所をいう研究所が在った。この研究所の存在を知ったのは、小生が購読していた中央公論社版の科学雑誌「自然」に出ていたからである。いつ頃の事だろうか?もう明確に想い出せない。徳川生物学研究所は尾張徳川家19代当主徳川義親により1914年に創設された私立の生物学研究所である。徳川義親の実父は越前藩主松平慶永(春嶽)で、五男であったが、尾張徳川家に婿養子に入り家督を相続した。7歳で学習院に入学するが成績が一向に震わず、落第を重ねるが知り合いに預けられ市井で過ごすうちに、知的にもやがて逞しく成長する。帝国大學史学科に入学するも、興味が持てず、尾張徳川家の家臣であった服部廣太郎の下で生物学を学び、大いに感化され生物学を研究する。其の時のことが生物学研究所設立の機縁に成ったのであろう。この私立の研究所では、特に田宮博博士の業績が名高い、田宮の呼吸酵素(チトクロームC)研究は傑出して居り、オットー・ワールブルクの先を行っていた。戦後、田宮はクロレラの大量培養に成功し、それはヤクルトとして販売されるように成る。この研究所は1970年に、株式会社ヤクルトに譲渡されたが、植物学の様々の基礎研究を推進した業績は素晴らしいものがあった。
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