相対論02
さて、此処では特殊相対論の主要な変換であるローレンツ変換について述べられる。オランダ・ライデンの数理物理学者、ヘントリック・ローレンツは、19世紀末から20世紀の初めにかけて活躍した当時の有名な科学者であった。マイケルソン干渉計の実験事実が正しいならば異常な事が起きることを察知したLorentzは、その合理的解釈としてLorentz変換を導き提出した。この変換は数学的に難しいものでは無いが、だが、その解釈は恐るべきことを示してゐる。Lorentzと同じころイギリスの科学者フィツツジェラルドに依ってもLorentz変換と同じ物が出されており、Franceのポアンカレも同様な考えを持っていたらしい。時期的には特殊相対論が出る胎動期であったのだろう。だが光の速度が空間の性質と密接に関係していることを正確に察知したのは、矢張りアインシュタインだけだったと小生は想う。常識的なGalilei変換から、どうして光の性質を持ってLorentz変換が生まれるのか。それこそが特殊相対論の魅力である。是は運動の世界観が変った変革期である。特殊相対論は19世紀の物理学から発生して来た結論であり、論文が出て119年ほど経っている。20世紀の初め近くに出された相対論は、現代物理学を代表する量子論とは異なる、量子論以前の古典物理の範疇に入る分野です。しかし未だにこの特殊相対論の意味を捉えていない人が沢山居られる。次にEinsteinが創り出したのは、特殊相対論の世界観を踏まえた、重力の理論である一般相対論である。これはNewtonの引力の理論の拡張である。一般相対論はベクトルともスカラーとも異なるテンソルを使う為に数学的には少し難しくなる。
ところで、天文学人類史の過去には、とんでもない天才が大勢いる。サモスのアリスタルコスは、地球と月の比から、月の大きさを殆ど正確に計算している。そして驚くべき事に、彼は地球から太陽までの距離を計算している。これは少し誤差があったにしても方法論は正しい。彼の使った方法は幾何学の三角法である。信じられないくらい三角関数が実の所驚くべき力を発揮する。アレキサンドリア図書館3代館長エラトステネスは、地球の大きさを三角法で計算した。その値は今から2500年も前とは信じられぬくらい正確です。そして1676年デンマークの天文学者オーレ・レイマーは光速度を木星の衛星イオの食を考察し計算している。他の天文学者が、光の速度が無限か有限かを議論して居た時である。光速度が有限でしかもある程度の精度を持っていた事は驚嘆に値する。光学望遠鏡しか無い時代の事だ。さらに神聖ローマ帝国の数学官兼占星術師ヨハネス・ケプラーは、天体運動の3法則を発見している。運動の3法則は星の観測運動から出されたが、星が何故動くのかは分からなかった。
これらの事実は、太陽系が太陽を中心に惑星が公転している事実を前提に解釈し直せば、エラトステネスが地球の大きさを決め、アリスタルコスが地球と月の大きさの比を出す事は自然である。更にはレイマーが光の速度を木星の衛星イオの食から算出し、ケプラーが太陽系の惑星運動法則を提出した。これらを組み合わせれば、現在と大体同じ太陽系像が把握される。自然科学は数学を基に構成されている。それには人間の虚構が入る余地はない。しかも、その道具としての力は最も基礎的で強力である。ただ、その道具を使うにしてもセンスが要る。そのセンスは想像力的知性と同じ物です。